【2021年2月】絵本のプロが選ぶ 0~3歳年齢別おすすめ3冊「どんないろがすき」ほか
東京は神保町にある絵本専門店「ブックハウスカフェ」が全面協力! プロが選ぶおすすめの絵本をセレクトして、毎月紹介します。
0歳向け
【写真左】リズム (作・絵:真砂 秀朗 /三起商行(ミキハウス) )
「ゴドパッティパ」「カランカランコロ」など聴き慣れないけど、おもしろい言葉がいっぱい。この絵本はセネガルやマリ、ギニアなどの西アフリカの人々の生活の中で伝えられてきたリズムを紹介したものです。
著者はインディアンフルート奏者で知られる真砂秀朗さん。読みはじめは「難しいな」と思いますが、口が慣れてくるとリズムを体感できるのが気持ちいい。読むスピードや声のトーンを変えたりと、いろいろな読み方でお楽しみください!
【写真中】つみき (文:中川 ひろたか 、絵: 平田 利之/金の星社)
ひとつ、ふたつ、みっつ……とつみきをどんどん積んでいきます。10個まで積んで完成!
そこにてんとう虫がやってきて、つみきがゆらゆら。大丈夫かな?
前半はつみきがどんどん高くなっていく様子にワクワクして、後半はゆらゆらするつみきにハラハラする、気持ちの変化がおもしろい絵本です。つみきには、それぞれ顔が描かれていて、場面によってくるくる変わる表情も見どころ。
【写真右】赤ちゃん絵本セット (作・絵:とだ こうしろう/戸田デザイン研究室 )
小さなブックバンド型のケースに収まった、手のひらサイズのミニ絵本の4冊セットです。いきもの・のりもの・しぜん・せいかつとわかれていて、それぞれに関連するものの名前とイラストが描かれています。
シンプルなイラストと単語だけの内容ですが、4冊セットなので読み応えもあります。小さいサイズは持ち運びにも便利。また装丁も素敵なので、プレゼントにもおすすめです。
1歳向け
【写真左】なきごえバス (作:えがしら みちこ/白泉社 )
はるちゃんとこぶたちゃんが作ったバスに、「ごじょうしゃのかたは ないてくださーい」と呼びかけると、いろんな動物たちが「のせて」とやってきました。
著者のえがしらみちこさんの、動物の名前と鳴き声の図鑑のような絵本があったらいいなという思いから生まれたこちらの絵本。柔らかで優しいタッチの絵の中に、本文には書かれていない小さなお話が散りばめられている点も楽しいポイントです!
【写真中】やすんでいいよ(おくはら ゆめ/白泉社)
指を差し出してきつねさんが「やすんでいいよ」と言うと、とんぼさんが「らくちん」とやってきました。次はちょうちょさんが鼻に。きつねさんは次々に自分の体でみんなを休ませてあげます。
どこか誇らしげなきつねさんの表情がかわいらしい一冊です。作者のおくはらゆめさんが妊娠前に作った文章でしたが、出産後に「子どもだけでなく、お母さんにも読んでほしい」という気持ちで完成させたそう。「やすんでいいよ」という言葉に、ママの心がふっと軽くなりますよ。
【写真右】どんないろがすき (絵:100%ORANGE/フレーベル館)
「♪どんないろ〜がすき〜」と聞いて、歌を思い浮かべることができる方も多いのではないでしょうか? 人気の童謡が100%ORANGEさんのイラストでかわいい絵本になりました。
赤なら「ポスト」、黄色なら「キリン」など、色に合わせたものがたくさん描かれているので、ものの名前を覚えはじめたお子さんにおすすめです。ほかにも色に興味が出てきたときや、歌を歌いたくなったときなど、いろんな楽しみ方ができるので、長く読んでいただけると思います。
2歳向け
【写真左】にこにこかぼちゃ(作・絵:安野 光雅/童話屋)
「どんな絵本なんだろう?」と思わせる不思議なタイトルと表紙。中をのぞいてみると、くだものや野菜が描かれているだけ。実は、裏表紙に顔が描かれた透明シートが付いていて、それを絵に当ててみると……。くだものや野菜がにこにこ顔に!
安野光雅さんの2人目のお孫さんへの贈り物として生まれた絵本だそうです。シンプルな仕掛けですが、ユニークなアイディアがおもしろい。にこにこ顔のほかに、困り顔の透明シートもついた遊べる絵本です。
【写真中】さんどいっちにー(作:たんじあきこ/ほるぷ出版 )
「いっちにーいっちにーさんどいっちにー」。思わず行進したくなるリズム。聞いただけでもワクワクしてきます。パンダ、ウサギ、リスのそれぞれが持っているのは、何のサンドイッチでしょう?
晴れのピクニック日和にぜひ読んでいただきたい絵本です。歌を歌うように、リズミカルに読むことができる絵本なので、読み聞かせにもおすすめです。
【写真右】ぺんぎんの ぴむ と ぽむ(作・絵: ディック・ブルーナ、訳:まつおか きょうこ/福音館書店)
こおりの国に住むぺんぎんのぴむとぽむ。ふたりは海に浮かんでいるこおりに乗って、旅に出ることにしました。こおりは太陽の方へ進んでいき、そのうち溶けてきてしまいました……。
ミッフィーの著者として有名なディック・ブルーナの絵本です。ぺんぎんたちの小さな旅の物語。初めて触れ合う冒険にはぴったりの、最後にはほっとできるお話です。
3歳向け
【写真左】きょだいな きょだいな(作:長谷川 摂子 、絵:降矢 なな/福音館書店)
「あったとさ あったとさ きょだいなピアノがあったとさ」。巨大なピアノの上で100人の子どもたちが鬼ごっこ。巨大なせっけん、巨大な電話……。いろんな巨大なものと、100人の子どもたちが思いっきり遊びます。
「あったとさ」という繰り返し登場するフレーズがクセになります。大きなものと、たくさんの子どもたち。スケールの大きさが楽しい絵本です。
【写真中】ネコのみち(作・絵:うちむら たかし/クレヨンハウス)
イヌたちが「きょうなにしてあそぶ?」と相談しています。そこへネコが。イヌたちはネコについていくことに。みんなは塀の上や屋根の上などを歩いて、どこへ行くのでしょうか?
抜け道を探して歩いた子どものころを思い出して、楽しい気持ちになれる一冊です。細い道を歩くのが得意なネコがゆったりと歩くなか、イヌががんばってついていく姿がとっても微笑ましいです。途中には不思議な生き物も出てくるので、絵を存分にお楽しみください!
【写真右】しんごうきピコリ(作:ザ・キャビンカンパニー/あかね書房)
パトカーが信号機のお話をしてくれます。「ピコリ! あおになりました」と青・黄・赤の信号機のルールを教えてくれます。でも、あれ? ピンクになっちゃった。今度はきみどり、オレンジとどんどんいろんな色に……。
著者のザ・キャビンカンパニーさんは、ドライブ中にこの絵本のアイディアを思いついたそう。身近な信号機をよく見るきっかけにもなる、奇想天外でワクワクできる一冊です。第23回日本絵本賞読者賞を受賞。
まとめ
今回はリズミカルな言葉や特徴的なフレーズが登場する絵本を中心に選んでみました。
どの絵本も声に出すだけでテンポのいい言葉がチョイスされているので、物語を読むのが苦手な方にも挑戦しやすいと思います! 絵本選びの参考に、ぜひ!