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アラサー女子がハマる「宝塚」入門 #PM6時の偏愛図鑑

もぐもぐ

定時後、PM6:00。お仕事マインドを切り替えて、大好きなあの映画、あの舞台、あのドラマを観る時間が実は一番幸せかもしれない。さまざまな人が偏愛たっぷりに、働く女性に楽しんでほしいエンタメ作品を紹介する連載です。

バチバチに目元を強調したお化粧、きらびやかなドレス、燕尾服をまとう男装の麗人。

宝塚歌劇って、誰にでも必ず何かしらのイメージがあると思います。不思議ですね。それくらい、ある意味「身近」なのに、ホンモノを観たことがない人も多いんじゃないでしょうか。

ゴージャスな舞台、という先入観があるからこそハードルが高く感じますが、実は意外にもカジュアルに観られるのが宝塚のいいところ。特殊な世界観ではあるので、すべての人にバチッとハマるわけではない……ですが、100年続くエンターテイメントですから、一度観て損はないと思います。社会科見学のような感覚でもぜひどうぞ!

気づけば私も宝塚歴7年目。ゆるゆる楽しんできたら、いつのまにけっこう長い時間が経っていました。今回は、周囲の友人たちに「宝塚、興味あるんだけど……」と聞かれたときに私が伝えていることをまとめてみました。

宝塚を楽しむコツは「自分だけのツボを見つける」

何を隠そう、私が初めて東京宝塚劇場に足を踏み入れたのも「せっかく日本に生まれたんだし1回くらい観てみたいな〜」というめちゃくちゃミーハーな気持ちからでした。

友人のヅカオタ(宝塚オタク)に手配してもらったチケットを握りしめて向かった日比谷の劇場。どんな服で行けばいいの? 何を持って行けばいいの? とドキドキしてたのですが、普通にショッピングに行くような格好で大丈夫です(ばっちりお着物でキメた方なんかもいて、それもとても素敵ですが!)。極論、ジーパンにスニーカーでもOK。そう思うとちょっとはハードルが下がるでしょうか?

公演時間は休憩込みで約3時間。多くの場合、お芝居とレビュー(ショー)の2本立てです。歌もダンスもハイクオリティーで「うわ〜〜これがタカラヅカ〜〜!!」と圧倒されるのですが、舞台照明、装置、衣装など舞台を支える技術も見どころです。

特に衣装は、初めて観たときは萌えまくりました。娘役さんのかわいらしさを120%引き出すふわふわのスカート。男役さんの中性的な凛々しさを強調するスタイリッシュな燕尾服。特にレビューは場面に合わせて衣装もくるくる変わるので「これ好き!」がどこかに見つかるはずです。

そう思うと、宝塚を楽しむポイントは、自分だけの「ツボ」を見つけることかもしれません。この人の顔が好き、あの人の声が好き、あのシーンのかわいいドレスが好き、クライマックスの美しい軍服が好き……。細かいところにツボれる人ほど、楽しく見られる気がします。

最初は出演者の見分けもつかず、誰が誰だかよくわからない状態なはず。でも、わからないまま見ていても、気づいたら目で追っている人がいるのです。その瞬間、世界の解像度がぐっと高まるのがわかって、テンションが上がります。舞台上のたったひとりが「名前のある誰か」に変わる瞬間の気持ちよさ!

どうやって観ればいいの? チケットの入手方法

東京公演の場合、チケットはS席8,800円。この価格を高いと捉えるかは人によるかと思いますが、個人的には3時間たっぷり別世界にトリップできる価格としては十分良心的だなぁと思います。ちなみに、帝国劇場や日生劇場でおこなわれるミュージカルはS席12,000〜15,000円くらい。こう比べると宝塚はリーズナブルに見えてきますね(でしょ?)。

いやいやまだ高いっす、という方には、当日券という方法を。2階席最後方の座席は2,500円、立ち見はなんと1,500円! 映画を1本見るくらいの出費で体験することができます。

とはいえ、最近の宝塚は年々観客数を伸ばしており、多くの公演でチケットが大激戦。今紹介した当日券も、人気公演の場合は始発で日比谷の劇場に並ぶ必要があります。ふらっと気軽に立ち寄れたらいいのですが、そうはいかないのが歯がゆいところですね……。

なので、一番のオススメは、まわりのヅカオタを探すこと。見つけたら「宝塚、行ってみたいな〜」とこっそり声をかけると、何かしらの方法で手に入れてくれる可能性があります(※ちゃんと合法です)。

私もそうですが、自分が好きなものに興味を持ってくれるのは基本的にうれしいです。冷やかしでも社交辞令でもなく、「知らないなりに興味があるので、もしチケットがあったら教えてください」というスタンスで申し出たら、嫌がられることはそうそうないと思います。

まぁでも「そんな簡単にまわりに好きな人なんて見当たらないよ〜」という人も多いですよね。だけど多分きっと、会社にひとりくらいいる、と思います。学生時代の友人がいつのまにか、というケースもけっこうあるので、顔が広そうな友だちに聞いてみてもいいかもしれません。

好きになってわかったのですが、実はヅカオタ、どこにでもいるんですよ! マジで! 「私、宝塚が好きで〜」「え、私も!」となるケースのなんと多いことか!

「宝塚は女のゴルフだよね」なんて冗談めかして言ったのは私の友人ですが、ゴルフのように共通の話題、コミュニケーションツールにもなりえるのもよいところです。

疎遠だった学生時代のバイト先の同僚とオタ友として交流が再開したり、仕事で会った相手がヅカオタだとわかって打ち合わせそっちのけで盛り上がったり……(両方自分の話です)。逆に、ヅカオタじゃない人には「え! 興味あります!」と食いついてもらえることも。ビジネスツールにも活かせる(?)宝塚、すごい。

宝塚オタクが選ぶ「2019年のオススメ公演」

最後に今後のオススメ公演をご紹介しておきます!(どれもチケットは激戦なのですが……)

映画館で観られるライブビューイングも充実しつつあるので、お安く&気軽に観られるそちらもぜひ調べてみてください♡

●宙組『オーシャンズ11』
同名のハリウッド映画のミュージカル版。ラスベガスにあるカジノホテルを舞台に、11人の男性たちがホテル王を出し抜き金庫破りに挑みます。起伏があるストーリーが楽しいし、キャラクターが魅力的! 初心者でも観やすい演目だと思います。ライブビューイングは2019年7月21日。

●花組『花より男子』
言わずと知れた、超超超有名少女漫画。「松潤のドラマが青春」という人も多いかもしれませんね! 主演の柚香 光さんがポスタービジュアルだけで完全に「道明寺司」で、こんなの期待しちゃうしかない。これまで多くの少女漫画をミュージカル化してきた宝塚が花男をどう料理するのか楽しみです。ライブビューイングは2019年6月29日。

●花組『恋スルARENA』
この秋に退団が決まっている現花組トップスター・明日海りおさんを中心とした宝塚歌劇団初のコンサート(!)です。会場はなんと横浜アリーナ。め、めちゃくちゃアイドルやんけ……。いったいどうなるのか未知数ですが、明日海さんの美貌と実力はお墨つき。ジャニーズやK-POPなどが好きな人は楽しめそうな予感がします♡ ライブビューイングは2019年6月26日。

(文:もぐもぐ/劇団雌猫、イラスト:谷口菜津子)

※この記事は2019年06月19日に公開されたものです

もぐもぐ

ライター/オタク女子4人組の同人サークル「劇団雌猫」メンバーのひとり。宝塚をこよなく愛する。劇団雌猫の著書『浪費図鑑 ―悪友たちのないしょ話―』『だから私はメイクする 悪友たちの美意識調査』『一生楽しく浪費するためのお金の話』など発売中。

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