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【漢方座談会】PMSは正常な証拠!? 医師が教える「PMS」の基礎知識

伊藤康江

PMSの原因は、ホルモンバランスが乱れてるから?

沙季さん 若いころはそんなにPMSに悩まされることがなかったのですが、25歳を過ぎてからひどくなってきた気がします。なんでだろ?

京さん 私も同じです。25歳って、女性の身体的に何かの境目なんですかね?

愛莉さん ひどい肩こりも1カ月ずっと続くわけではないので、やっぱりPMSの症状なんだと思うけど、原因がわからないから困っちゃいます。

京さん きっとホルモンのバランスが乱れて体調不良になっているんだと思うけど……。

沙季さん 1週間くらい前から下腹部がキューッと収縮する感じで痛くなるので、「あー、生理くるな」ってわかる。定期的に不調がやってくるから、経験上、PMSだったんだと気づく感じ。でも「PMSの原因は?」と聞かれると、わからないですね。

★25歳以降に症状が重くなる理由は? PMSになる原因

PMSは、よく“ホルモンバランスの乱れが原因”と言われますが、これは正確ではありません。むしろきちんと排卵してホルモンバランスのメリハリがあるからこそ、PMSの症状が起こりやすいとも言えます。ホルモンが正常に分泌されている証拠なので、むしろいいことなんですよ! そう思えば、少し症状が軽くなる人もいるかもしれませんね。

「25歳以降に症状が重くなった」というのは、生理周期が正しくあり、妊娠の準備がととのった状態にあるということ。20代前半だと、まだPMSを感じる人は少ないようです。20代後半から30代にかけて、つまり妊娠に適した年代の人に起こりやすい症状と言えるでしょう。

ヨガにアロマも! みんなのPMS対策って?

沙季さん できるだけ予定を詰め込まずに、リラックスできる時間を作るようにしています。ちょっとしたことで、すぐイライラしてしまうので、あえて人には会わないように(笑)。自宅でアロマを焚いたり、ジンジャーやはちみつ入りのハーブティーを飲んだりして、ゆったり過ごしています。

京さん 私も体調がすぐれないときは、早めに仕事を切りあげて家でゆっくりと休むようにしています。

愛莉さん 私もとにかく寝ます! 嫌なことや落ち込んだことも、とりあえず寝るとケロッと忘れられるので。休日は自炊してDVDを見たり、とことんインドアな生活に。

京さん 私はわりと、外に出て発散するタイプかも。女友達と会って、愚痴を言い合って気分転換したり、ジムやヨガに行くこともあります。あとは生姜が入ったものなどで、体を冷やさないように気をつけています。飲み物もあったかいものか常温で。

沙季さん ヨガはいいですよね! 無になれるし、気分がスッキリするので嫌なことが忘れられます。むくみがひどいときはマッサージしに行ったり、好きな入浴剤を入れてお風呂でゆっくりしたり。

愛莉さん 私も湯船で肩をコロコロマッサージしてます。夏場は冷房で冷えていることもあって、体をあたためると症状が改善される気がします。あと、以前「肩こりには葛根湯が効く」と教えられたことがあって飲んでいます。ただ痛くなってからだと遅いので、飲むタイミングが難しいところ。

沙季さん へー、葛根湯って風邪のイメージだけど。

愛莉さん そうですよね。効果はあるような気はするのですが、本当に肩こりに効くのか、知りたいです!

★方法はいろいろ! 丸山先生オススメのPMS対策

自分でできる対策としては、まずはストレスをためないこと。PMSの症状のあらわれやすい時期は残業しないようにしたり、余計な予定を入れないようにしたり、ゆったりと過ごしてください。お風呂や適度な運動は、症状の改善には有効ですが、絶対したほうがいいというわけではありません。ただお風呂に入るとリラックスする、ジムで体を動かすとスッキリするなど、その人にとって心地いいと感じることであれば、どんなことでも実践してOKです。

次に大事なのが食生活。PMSの時期は辛いものや味の濃いもの、カフェインやアルコールなどの刺激が強いものを欲することが多いのですが、実はこれらをとることでより症状は悪化します。この時期だけ、デカフェのコーヒーや、香りに緩和作用があるハーブティーに変えてみてください。“イライラしてチョコが食べたくなる”という方もとても多いですが、実はチョコレートはイライラを助長します。イライラしたくないのならば、食べないほうが賢明です。どうしても甘いものが食べたいときは、精製された白砂糖を使用した洋菓子ではなく、黒砂糖や和三盆などを使用した和菓子に変えてみて!

また病院での治療も役に立ちます。西洋医学ではピルが効果的。女性ホルモンの波をなだらかにするため症状が軽くなります。マイナートラブルといって、飲みはじめに不正出血や吐き気、頭痛などの副作用が出る場合もありますが、2~3カ月でおさまることが多いです。一方、漢方医学では、PMSの体やメンタルの症状によく効く“加味逍遙散”(かみしょうようさん)を処方することが多いですが、症状や体質に応じて処方も変わります。質問にあった葛根湯ですが、肩こりにもよく用いますよ。また、“漢方=苦い”というイメージがありますが、体質に合った漢方薬だと、味が気にならないということも多いよう。PMSの期間だけ服用することも可能です。

(取材協力:丸山綾、文:伊藤康江、座談会撮影:masaco)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年09月28日に公開されたものです

伊藤康江

出版社勤務を経て独立。現在はフリーランスの編集・ライターとして女性誌や書籍、ムック本を中心に活動中。

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