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【妊娠出産のウソ&ホント】妊娠中は髪を染めちゃダメってホント?

尾西芳子(産婦人科専門医)

将来妊娠したい、したくないに関わらず、妊娠・出産は未知の世界。出産未経験の女性たちが感じている妊娠・出産にまつわる素朴なギモンについて、産婦人科専門医の尾西芳子先生がわかりやすく教えてくれます。ウソかホントかわからない情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう!

妊娠中もオシャレを楽しみたいと思うママは多いもの。ですが、「ヘアカラーやパーマは、薬剤が頭皮から入って赤ちゃんに悪影響を及ぼしてしまうのでは?」と心配し、ストレートの黒髪に戻す人もいるようです。では、本当に妊娠中に髪を染めるのはNGなのでしょうか。今回は、そんなヘアカラーにまつわるウソ&ホントに迫りました!

本日の「ソボクな疑問」

Q.妊娠中に髪を染めちゃダメってホント?

<読者の声>

・美容と妊娠は関係ないと思う。(26歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・有害な物質が頭皮を通して母体に吸収されてしまうと思う。(27歳/情報・IT/事務系専門職)
・妊娠中は髪質がもろくなるので、刺激的なことはしないほうがいいと思う。(28歳/食品・飲料/販売職・サービス系)
・母から言われたことがある。でも時代がちがうので大丈夫ではないかと思っています。(31歳/情報・IT/技術職)

尾西先生のアンサーは!?

答えは……
ウソです!

髪を染めることで赤ちゃんに影響があるということはないです。基本的に、アルコールや有機水銀、覚せい剤の一種など分子の小さい特殊なものを除いて、母体が吸収した有害物質のほとんどは、母体が処理して便や尿として体外に排出されていますので、ご安心ください。

ただ、妊娠と髪を染めることがまったく関係ないというわけではありません。というのは、妊娠中は肌がすごく敏感になっているため、カラー剤でかぶれやすかったり、カラー剤の匂いで気分が悪くなってしまったりということもあります。そういう意味では、体調に合わせて染めることをオススメします。

また、読者のコメントにもあるように、妊娠中は赤ちゃんに栄養を取られてしまうので、「髪質がもろくなる」というのは事実です。髪が弱くなっているところに刺激を与えると、髪の毛が抜けやすくもなりますので、そういう人は染めなくて済むなら染めないほうがいいでしょう。

「時代がちがうので大丈夫」という声がありますが、時代は関係ないかと思います。もし、今は髪や頭皮にやさしいカラー剤などが増えてきているという意味であれば、一理あるかもしれませんね。

やはりオシャレは母になってもしたいものですし、男性側も奥さんにはずっとキレイでいてほしいという人は多いはずですから、すべてを我慢する必要はないと思います。ただ、美容室で同じ体勢を長く続けていると、おなかが張りやすくなったりもしますので、たとえばカラーとパーマは別の日に行うなど、1回の時間が長くならないような工夫は心がけたいものですね。

(取材協力:尾西芳子、文:ヨダヒロコ、撮影:masaco)

※次回の更新は9月24日(土)です。お楽しみに!

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.26)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年09月17日に公開されたものです

尾西芳子(産婦人科専門医)

高輪台レディースクリニック副院長

日本産科婦人科学会会員
日本女性医学学会会員(専門医)
日本産婦人科乳腺学会会員

神戸大学国際文化学部卒業後、山口大学医学部学士編入学。慈恵医大病院、日本赤十字社医療センター、済生会中津病院の勤務を経て、都内の産婦人科クリニック勤務。2017年7月、高輪台にて開業。

妊娠・出産から、婦人科がんの手術、不妊治療と広く学び「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と女性のすべての悩みに応えることのできる女性のかかりつけ医を目指す。モデルの経験を活かし、美と健康に関する知識も豊富。Webの連載をはじめ、TV、雑誌、講演会で活躍中。

オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/

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