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第62話 ゼロからの出発

木曜日の朝、昨日のシャンパンが少しだけ、
体に残るのを感じながら、
わたしは席に着きメールボックスを開けた。
孝太郎に宛てて、メールを打つ。
何を書くか一瞬迷ったけれど、すぐに決まった。

「転職先は自分で探します。
もう連絡しないでください。わたしもしません。
今までありがとうございました。
さようなら」

そう。別れると決めたら他に言うことはない。
これから大変かもしれないけれど、スッキリした。
わたしは小さくため息をつき、微笑んだ。

送ろうとして、再びディスプレイに目を落とし、
孝太郎の名を目にした時、
なぜか保育士の山本さんのことが頭をかすめた。
……彼とはもしかしたら、
お付き合いすることになるのかも。
ううん、それはうぬぼれで、
よいお友だち止まりかもしれない。

でも、どちらにしても自分の道は自分で決める。
これからわたしは、いろいろ失うけれど、
逆に大きな可能性を手に入れたのだと信じたい。
そう思いながらenterキーを押し、
孝太郎に宛てたさよならのメールを送信した。

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