【マネーレッスン】一生独身だったらいくら必要？ マンションは買うべき？
将来を考えるとき、お金の悩みはついてまわるもの。結婚・出産、転職など、ライフイベントによってマネープランの見直しは必須。だけど、何から手をつければいいのかわからない！ そんな働く女子のお悩みを、FP風呂内亜矢先生に相談。知っておきたいお金のキホンや無理なく実践できるテクニックをマスターして。
おひとりさまで購入してもいい物件とは
編集部 では、購入する場合は何を判断基準にすればいいですか？
風呂内 自分が住んでいるエリアの家賃相場の200倍以内の物件価格で、かつそこに20年以上住むのであれば、賃貸に住み続けるよりもお得です。
たとえば、ちょこさんが住むエリアの家賃相場が4～5万円と考えると、800万～1,000円相当の物件が該当します。ただ、地方には「買っていい」と呼ばれる物件を見つけるのは難しいという側面があります。そういったことを踏まえると、彼女のように地方在住の方は賃貸に住み続けるほうが無難でしょう。
編集部 そうなんですね。となると、今は800万円以上～900万円未満の貯蓄があるとはいえ、一生独身を見据えた老後に備えるならば、ひとり暮らしになっても貯蓄が確保できるように家計簿を見直しておきたいところです。
物件を購入する場合の目安
・住みたいエリアの家賃相場の200倍以内の物件価格であること
・そこに20年以上住む予定であること
ちょこさんの家計簿チェック
編集部 ちょこさんの家計簿にぜひアドバイスをお願いします。
風呂内 ご両親が健在で、今のままの生活を続けられるうちは、すぐに節約したほうがいいという費目はありません。
もし今後、住居費や光熱費などを自分で支払わなくてはならなくなった場合は、削るとすれば「服飾費」「化粧品代・美容代」からトータルで1万円くらいは減らせそうです。
たとえば化粧品は一点豪華主義にして、1アイテム以外はプチプラのものを購入したり、エステを我慢する月をつくったりするなど、工夫しましょう。
編集部 ちなみに、彼女は「生命保険」「養老保険」「個人年金」と3つの保険に毎月合計3万円の保険料を払っています。おひとりさまの老後に備えてのことだと思いますが、入りすぎということはありませんか？
風呂内 貯蓄も十分にありますし、家計の負担になっているわけでもありませんから、考えがあって3つの保険にかけているのであれば、特に問題はありません。
強いて言うなら、生命保険は本来、誰かに残すための保険ですから、養老保険でお葬式代の300万円をまかなえるのであれば、わざわざかける必要はないかなとも思います。
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定年時に必要な貯蓄は2,500万円以上！ 地方在住のおひとりさまはマンションを購入するよりも一生賃貸のほうがベター
60歳以上の単身女性が使っている家計の平均額は1カ月あたり約15万円、1年間で約180万円かかると言われています。仮に90歳まで生きると考えると、一生独身の場合、相談者のちょこさんには、定年時点で、退職金も含めて2,500万円以上 の貯蓄が必要です。
また、現在は実家暮らしで住居費や光熱費などの出費がなく余裕のある生活ができていますが、今後両親が亡くなった場合には家計が変わってしまうことを頭に入れておきましょう。
もし実家が賃貸で、ちょこさんがおひとりさま用の物件購入を検討するのであれば、居住エリアの家賃相場の200倍以内の価格であるかがひとつの判断目安に。地方の場合は、賃貸に住み続けるほうが無難なことが多いでしょう。
（ヨダヒロコ／六識）
バックナンバーはこちら※この記事は2016年08月10日に公開されたものです
1級ファイナンシャル・プランニング技能士（国家資格）
IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円でマンションを衝動買いしたことをきっかけにお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌などメディア実績も多数。著書に『貯金80万円、独身の私にもできた! 自宅マンションを買って「お金の不安」に備える方法』、『その節約はキケンです』がある。
●公式サイト：http://www.furouchi.com/
