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産婦人科医に聞く! 婦人科検診って何するの?【内診編】

内診台での処置

●医師との会話

内診台へ上がる前に、患者さんと医師で会話をする病院がほとんどではないでしょうか。ここでは、「不正出血がないか」「妊娠している可能性がないか」などを確認しています。これは、子宮がんの症状の中で不正出血が一番多く見られる症状であるため。また、子宮体がんの検査の場合、妊娠をしていると流産をしてしまう可能性があるので、必ず確認をしています。

また、患者さんの気持ちが落ち着くのであれば「内診が怖い」「痛そうなイメージがある」など、このときに抱えている不安を話すことも大切です。それを言うことで、「先生が気持ちを理解してくれている」という気持ちの安心が得られるのではないかと思います。この点に関しては、言いたくない場合は言葉にしなくても大丈夫ですよ。

●着替え

がん研有明病院 健診センターでは、診察室の横にあるカーテンや扉で区切られたスペースで患者さんに着替えをしてもらっています。着替えをするスペースは誰からも見えなくなっており、内診台もカーテンで仕切られているので、準備をしてから検査が終わるまで医師と対面することはありません。

内診の際は、下着を外します。もちろんパンツスタイルの場合はすべて脱ぐ必要がありますが、スカートの場合は、スカートを脱がなくても受診は可能です。とはいえ、内診台に上がる際には上までたくし上げることになります。また、がん研有明病院 健診センターでは、「女性検査用パンツ」を用意しており、それに着替えて内診台へ上がってもらっています。羞恥心を解消するために考案された「女性検査用パンツ」は前開きになっているため、はいたまま内診を受けることができるパンツになっています。着替えをするスペースにはバスタオルも用意しており、内診中、それを腹部にかけて受診することもできますよ。

●内診

着替えが終わったら、所定の位置に脚を預け、内診台に座ります。がん研有明病院 健診センターの内診台は自動式になっているので、座るとイスが回転し、股受け部分が左右に開く仕組みになっています。自動ではない内診台の場合は、足の裏を所定の位置に預け、自分で開脚をする形になります。

内診中、医師の顔が見えないことに不安がある場合は、カーテンを開けた状態で診察をすることも可能です。もちろん、カーテンを閉めたままでも、医師は「あと少しで検査が終わります」「器具が入るので、下腹部がズンとしますよ」など、“次に何をするか”をお声がけしながら、患者さんが安心して受診できるよう内診を進めています。

クスコ式腟鏡と検査ブラシ

具体的にカーテンの向こう側で医師が何をしているのか気になっている女性も多いと思いますが、まずは「クスコ式腟鏡」という器具を腟内に入れ、腟を円形に広げます。このクスコ式腟鏡にはさまざまなサイズがあり、医師が患者さんの腟の大きさに合わせてクスコ式腟鏡の大きさを選んでいます。もちろん狭い腟に対して、大きなクスコ式腟鏡を入れるとつっぱるような痛みを感じることはありますが、ここは医師が経験上、適切なサイズのクスコ式腟鏡を使用するので安心してください。

クスコ式腟鏡で腟の入り口を広げた後、それぞれ専用のブラシを使って、子宮頸がんの検査では子宮の入り口を、子宮体がんの検査では子宮の内側の細胞をとっています。個人差はありますが、子宮体がんの検査の場合、出産の経験がない方など痛みを伴うケースもあります。とはいえ、20~30代は月経のある年齢なので痛みを感じることは少ないと思います。痛みを感じたら、深呼吸をして力を抜くと緩和することができることが多いです。ポイントは、「ラクな気持ちで内診台へ上がること」です。

このほか、超音波による検査もあります。超音波では、卵巣と子宮の腫瘤を調べることができます。これらの検診をひと通り行うのに、かかる時間は数分程度。もちろん、腫瘍の疑いなどがある場合は、より入念に診察をするため、これよりも時間を要することもあります。

内診終了後

●検査結果

内診終了後、超音波による検査の結果に関しては口頭で説明することもあります。がん研有明病院 健診センターの場合ですが、具体的な検診結果や細胞診の結果に関しては、約3週間程度を目安に自宅へ郵送で送付されます。

まとめ

婦人科検診における内診には、子宮がんを早期発見する大切な意義があります。だからこそ、産婦人科の先生も「多くの女性に検診を受けてもらいたい」と、その切実な思いを語っていました。何をするか想像がつかないがゆえに、検診に対して恐怖心を抱いてしまうことは誰にでもあること。まずは、婦人科検診に関する理解を深めて、受診前の心構えと準備ができるといいですね。

(取材協力:がん研有明病院 健診センター、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

今回取材をした、がん研有明病院 健診センター

がん研有明病院 健診センター

日本で最初に誕生したがん専門の病院。 平成28年1月、がん研パワーアッププロジェクトにより、 高度先進医療機器を導入し、施設拡充を実現。 豊富な経験とたしかな技術で安全な検診サービスを提供している。 健診センターの第1の使命は、がんの早期発見と予防により、受診者をがんから守ること。 スタッフはすべて、がん研有明病院に勤務するがん専門スタッフで構成され、 万一がんの疑いがあれば、精密検査や治療についてがん研有明病院の高度先進医療をご紹介。 誰よりも患者さまを中心としたケアに尽力している。

※この記事は2016年07月22日に公開されたものです

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