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【栄養学講座】第8回:卵子の質を高めてくれる!? 「良い脂質」を積極的に摂るべき理由

細川モモ

良い脂質の代表「オメガ3脂肪酸」が含まれているものって?

いくらトランス型脂肪酸が危険だといっても、脂質全般を控えることはそれ自体が妊娠力を低下させてしまうことに繋がりますので、良い脂質はしっかり摂りましょう。脂質の摂取を極端に控えた女性は女性ホルモンの材料であるコレステロールが低下したり、魚や卵といった脂質を含む食材に含まれる鉄分やビタミンDといった妊娠力を維持・向上させる栄養素が不足してしまいます。

 トランス型脂肪酸の摂取を控えるとともに、ぜひ積極的に摂ってほしい良い脂質がオメガ3脂肪酸です。魚由来のDHA・EPAが体内の炎症レベルを下げてくれます。残念ながら体内で作り出すことができませんので、毎日1g食事から摂取することが推奨されています。「毎日魚なんて無理!」という声が聞こえてきそうですが、焼き魚や煮魚でなくともたとえば鮭フレークツナ鰹節などをトッピング食材として活用するのがよいでしょう。冷凍ストックできるアジの開き鯖の味噌煮缶詰のサンマイワシの蒲焼きも多くのDHA・EPAを含んでいます。残念ながら血中DHA・EPA濃度は食事からの摂取量に比例するため、食べないことには獲得することができないのです。

妊娠中に海産物をしっかり食べていた女性からは社交性・コミュニケーション能力・運動・IQ(主に情報処理能力)が高い子どもが生まれていることが各国の研究により報告されていますので、魚由来の脂質はずっと摂り続けたい脂質です。

おやつで取り入れるならクルミがオススメ!

忙しくて料理する時間がない、近くに和定食を食べられるお店がない! という人はスムージーに亜麻仁油を加えたり、クルミチアシードをおやつで取り入れるのもオススメ。最近はコンビニでも気軽に購入できるようになりました。これらの食材は体内で一部がDHA・EPAに変換されるα-リノレン酸を含んでいます。変換率は1〜9%と個人差があり(※1)、中には変換されない人もいますので、確かなのは魚介類からの摂取ですが、少しでも変換されるならおやつでおいしく取り入れる習慣を大切にしたいですよね。

魚介類だと汚染が気になるという人や乾燥肌・便秘・PMS(月経前症候群)・メンタルのアップダウンに悩まされている人はサプリメンテーションも一案です。原料の安全性が高く、極めて酸化されやすいオメガ3脂肪酸を過熱などは決してしていない、加工法に自信のあるメーカーを選びましょう。

◆今回のモモポイント!

良い脂質と良くない脂質を意識して妊娠力を守ろう!

(※1)出典:「妊娠しやすい食生活 ハーバード大学調査に基づく妊娠に近づく自然な方法」ジョージ・E・チャヴロ、ウォルター・C・ウィレット、パトリック・J・スケレット

(文:細川モモ、構成:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.09)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年06月23日に公開されたものです

細川モモ

予防医療コンサルタント。両親のガン闘病をきっかけに予防医療を普及させるべく、米国で栄養学を学ぶ。医療と食の専門家による予防医療プロジェクト「ラブテリ トーキョー&ニューヨーク」を日本とNYに発足。2011〜2015 ミス・ユニバース・ジャパン ビューティーキャンプ講師を努める傍ら、卵巣年齢共同研究PJ、妊婦栄養研究PJといった共同研究を進める。働く女子1,400名が参加した「まるのうち保健室」を三菱地所とともに立ち上げ、日本初となる「働き女子1,000名白書」を発表。近著に、働く女性のプチ不調、お悩み別レシピ本『細川モモの美人食堂』などがある。また、4月7日(木)に、新刊『美人の食卓は1日2000kcal—人生をキラキラさせる“足し算”ダイエット 』が発売された。



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