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総合内科専門医に聞く! 梅雨時期の不調の原因と対策は?

川嶋朗

関東も梅雨入りが発表され、今年も雨の季節がやってきました。雨が毎日続くと、なんだか心も体もだるくなりますよね。一体どうして梅雨時期になると不調を感じるのでしょうか。今回は、梅雨時期に起こる不調の原因と対策について、医学博士で東京有明医療大学教授、日本内科学会認定総合内科専門医の川嶋朗先生に教えてもらいました。

<梅雨時期に感じる不調>

まずは、梅雨時期に感じる不調について、働く女性たちにアンケート調査を行いました。

Q.梅雨時期に不調を感じますか?

はい……44.7%(71人)
いいえ……55.3%(88人)

約半数の女性が「はい」と回答。梅雨時期に体調が悪くなる女性は少なくないようです。それでは、どんな不調を感じているか、詳しく聞いてみましょう。

■読者の意見

・「なんとなく疲れがとれず、重苦しい気分を引きずってしまいます」(29歳/学校・教育関連/事務系専門職)
・「なんとなく重だるくなる。外に出たくなくなる」(34歳/医療・福祉/専門職)
・「全身がむくみやすい感じがします。マッサージしても効果が出ません」(31歳/情報・IT/営業職)
・「髪型が崩れるから気分がのらない」(25歳/運輸・倉庫/事務系専門職)
・「洗濯物が乾かない。雨で通勤が大変」(27歳/アパレル・繊維/販売職・サービス系)
・「ジメジメして、気分が滅入るし、雨の影響で頭痛もよくある」(27歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)

<川嶋先生に聞く! 梅雨時期の不調の原因と対策>

■梅雨時期の不調は、「気圧」と「湿度」が関係している!

アンケートの回答にあったように、髪型が崩れる・洗濯物が乾かないなど、居心地の悪い環境になったときには、気分が落ち込みやすくなるものです。ただ、医学的には、「気圧」と「湿度」の2つが原因と言えます。

まず、梅雨時期は気圧が低くなるため、空気中の酸素が減ります。そうすると体が少ない酸素に対応しようとするので、自律神経がおやすみモード(副交感神経が優位)になります。つまり、本来なら日中は活動モード(交感神経が優位)になるべきなのに、低気圧のせいで日中にもかかわらず体がおやすみモードになり、眠い・だるい・やる気が出ないなどの症状があらわれるのです。

また、梅雨時期は湿度もあがるので、それにより体内のヒスタミンという物質が増えます。ヒスタミンはアレルギーや炎症のもとでもあるため、アトピー・喘息・花粉症などのアレルギー症状や、リウマチなどの炎症性の疾患が悪化しやすくなります。

■梅雨時期、日中にやる気を出すためには?

仕事中など、体を活動モードにしたいなら、濃いめに淹れたコーヒー・緑茶・紅茶がオススメです。なぜなら、この3つはカフェインが強く、血管を収縮させるので、目を覚ましてくれます。冷えが気になるという人は、体を冷やす効果があまりない紅茶を選ぶといいでしょう。それ以外には、熱いor冷たいタオルを顔にのせるのも◎。体がおやすみモードになるのは体温より2~3度高いときですから、それよりも熱いタオルをのせれば、体は活動モードになります。熱いか冷たいかはお好みでOKです。

最後に、梅雨時期に注意してほしいのは、夜の過ごし方。日中おやすみモードでボーッとしていたからといって、夜更かしをしてしまうと、昼夜逆転した生活になってしまいます。そうならないためにも、夜は38~40度のお風呂に入って体をおやすみモードにさせ、ゆっくり過ごすといいでしょう。炭酸入浴剤を使うと血流がよくなるので、より効率的に体をあたためてくれますよ。

(取材協力:川嶋朗/ウーマンウェルネス研究会、文:マイナビウーマン編集部)

※画像はイメージです。

※マイナビウーマン調べ
調査日時:2016年5月25日~2016年5月28日
調査人数:159人(22歳~34歳の女性)

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.19)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2016年06月15日に公開されたものです

川嶋朗

北海道大学医学部医学科を卒業、医師。東京女子医科大学大学院医学研究科修了、医学博士。ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院に留学。2003年、日本の大学病院初の統合医療診療を行う「東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック」を開設し、所長に就任。

東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科 教授。東洋医学研究所附属クリニック自然医療部門担当。日本内科学会認定総合内科専門医。日本統合医療学会(IMJ)理事、認定指導医。

著書に、『心もからだも「冷え」が万病のもと』(集英社新書)、『冷え取り美人』(アスペクト)、『太らない病気にならない体のつくり方』(実業之日本社)、『やせる!冷え取り習慣66』(講談社)、『体を温めて健康になる100 の法則』(リイド社)、『冷えとりの教科書』(マイナビ)などがある。

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