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第62話 花の道

その日は早朝、まだ暗いうちに、
待ち合わせをした。
空のふちがほんのりとピンクと紫に染まるころ、
わたしはいつものコンビニの駐車場に立つ。
息が白い。
今日は南の半島の花畑を見に、
また慎也と、ドライブデートに向かう。

いつもと変わりないドライブデートなはずなのに、
夜明け前に出かけるという、だたそれだけで、
何か新しいことが始まるような気分になる。

しばらくすると、慎也の車のシルエットが、
まだ暗い道のはてにくっきりと浮かび上がる。
「お待たせ」
「今日もよろしく」
こうしてセダンは、朝焼けの中を滑り出した。

早春の半島へ向かう道は、
大きくなだらかなカーブが多く、
右へ左へ車がぐうっと曲がるたびに期待感が高まる。

そしてあるトンネルを抜けたところに、
目に鮮やかな黄色の、菜の花畑が広がっていた。
「わあっ、ステキ!」
わたしが思わず感嘆の声を上げると、
慎也はハンドルを握りながら満足そうに微笑んだ。

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