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第56話 バレンタインデーに

社販で買ったネクタイ付きのチョコレート。
付属のカードに何を書こう。
ずっと悩んでいるうち、もう出ないと、
デートに間に合わない時間になった。
……今、自分が感じていることを、
素直に書くのがいいんだろうな。

わたしはメッセージカードに
「仕事、もっとがんばってみる」
とペンを走らせて、家を出て小走りに、
待ち合わせのコンビニへと急いだ。

慎也には、もっと別の、
「これからもよろしくね」とか、
「いつもありがとう」とか、
そんな言葉の方が、よかったのかもしれない。

でも今は、メッセージカードに書いた言葉が、
慎也に向けての、一番の愛情表現。
慎也との未来を信じていること。
貴重な二十代の残り時間を彼を待つため費やすこと。
たとえ気持ちが伝わらなくても、
慎也にその言葉を告げたい。

コンビニに着くと、駐車場にはもう彼の車あった。
わたしが手を振りながら近づくと、
彼の車は短く小さく、クラクションを鳴らした。

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