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第37話 揺れる心

いけない。疑うのはやめなくちゃ。
わたしは慎也の横顔を指でつついて、
振袖の女子大生に一瞬見とれた彼を、
こちらに振り向かせた。

楽しげな笑顔。
彼はまったく悪びれていない。
だからたぶん、本当の本音で言っているのだ。
「結婚はぜんぜんピンとこない」って。

これから、あとどのくらい待つんだろう?
来年も再来年も、今みたいに、
ギリギリまでがんばって働き続けながら、
こうして成人の日に初詣にいくのかしら。

でももし、わたしがもっと若かったら、
それとも、小百合先輩みたいにきれいだったら、
慎也はもっと結婚に前向きだったりするのかな。

そんな風に考えたとたん、
武藤主任の声が、頭の中によみがえってきた。
「森尾さん、おれと付き合う気ない?
俺もいい年だから将来とか真剣に考えて……」

それも悪くないかも、と思ってしまう自分がいる。
武藤主任の存在が、自分の中で大きくなっていく。

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