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第50話 仕事に助けられる

エレベーターを降り、
いつも通りに廊下を行き、同僚に挨拶し、
週明けの報告連絡の打ち合わせのあと、
パソコンに向かうと、
いつも通りに業務に取り掛かる。

ああ、今日ほど、
仕事がありがたいと思ったことはない。

特に、こうして世界のあちこちへ、
メールを書いて送っていると、
仕事上の薄いつながりだけれど、
このつながりが、わたしを
いつも通りのわたしにしてくれていると、
素直に思えた。
貿易の仕事をしていてよかったとも、
しみじみと思う。

こうして、午前中の業務を終えるころには、
宗二さんと別れる決心のできた自分や、
ちゃんと別れられた自分に
「よくやった!」
と肯定的な気持ちさえ湧き上がり、
付き合った2年間についても、
いい勉強期間だったのかも、
と前向きに考えられるようになっていった。

※この記事は2015年07月17日に公開されたものです

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