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非モテ男子が語る「ボクらが結婚できない理由」

古田ラジオ

ホッピー婚活している人は多いですが、そこに参加している人がみなカッコよくて恋愛経験豊富な人ばかりではありません。婚活市場の中にも、いや婚活市場の中だからこそ、恋愛経験の少ない「非モテ」たちも姿もあります。

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彼らはどんな婚活が繰り広げているのでしょうか。今回は、埼玉県出身、地元の流通系の企業で働いているアラサー非モテ男子、達也さん(仮名)に北千住のホルモン屋でお話を伺いました。

■「ご愛読ありがとうございました。次回作にご期待ください」

―(ハイボールを注ぎながら)ご出身はどちらですか。

達也 埼玉県の奥地ですね。東京まで電車で1時間以上かかりますが、ギリギリ通えないわけではない。そんなぐらいの場所です。

―今までどういう婚活をしてきたんですか。

達也 地元の商店組合主宰の婚活パーティです。そのお見合いパーティは第三希望までお相手を書けるんですが、第一希望同士は会場で公表します。第二希望以下で書いているカップルがいたら、後日、主催者から電話があって連絡先を交換できるシステムになっていました。結局全部で三回いったんだけど、1回目は後日連絡がありましたが、2回ぐらい会って断られました。2回目3回目は連絡もなしって感じです。

―カップリングした後、会ったりしたんですか?

達也 最初の人は二回ぐらい会いました。食事行ってボウリングいって喫茶店いっておしまい。そんな感じのデートが2回ぐらいです。

で、2回目に会ったその日の夜に「今回でおしまいにしたいと思います。」というメールが来ました。理由は「ほかの人にもお会いしたいから」ってことで、「ご愛読ありがとうございました。次回作にご期待ください」っていう(笑)。

―その人とはなんでカップリングしたんでしょうか?

達也 実は、そのお見合いパーティの最初の座った席が私と彼女っていう組み合わせでした。私は、ほかに書く人いないし、まぁいいかって感じで書きました。多分、向こうも同じではないかと。

―婚活パーティに参加してみてどうでしたか。

達也 やっぱり主催者が商工会だと、商工会に来る自営業の息子のような近い境遇の人が多いと思います。あと、商売じゃないから、次回も参加させようとかはあまり考えていないように思いました。

プロフィールシートもなくて、会場も公民館のようなところで、単純に回転寿司形式で回って終わりっていう。主催者は男女が同数ぐらい集まれば当然盛り上がるように考えているように思いました。私は俗に言う非モテで女性との恋愛経験もあまりなかったので、正直大変でしたね。

ただ、費用が安いのと、婚活的な生々しさがない分、自然な出会いに近いというのもメリットだと思います。実際、そこで結婚した人もいるみたいです。

―参加者の特徴はありますか。

達也 男性は35歳から45歳ぐらいが多くて、女性は27~8歳ぐらいから40歳ぐらい。25歳以下はほとんどいないですね。

私が言うのもアレですが、間違っても、IT企業でバリバリやってますって人はいなかったです。職業は自営業が多いです。たまに公務員。

女の人は看護婦とか。あと家事手伝い、フリーターが多いですね。女性も普通の人が多いですが、キャリアウーマンみたいな人はいない気がしました。今回のは地元で生活圏が完結してる人向けの婚活パーティですね。埼玉に住んでて、東京で働いてますみたいな人はいない気がしました。

■地方都市の婚活、ここがちがう

―(レモンサワーを注ぎながら)婚活パーティって自分の日常生活とまったく関係ない人と出会えるのがポイントなんですが、そうじゃないってことですよね。

達也 近いほうがいいってのは絶対あると思います。私もそうだけど、たとえば、神奈川の人と婚活したとして、神奈川の人が埼玉まで来なきゃいけないですよね。神奈川の人が埼玉の奥地までわざわざ来るリスクを取るかっていう。

東京で働いてるならいいんです。埼玉から東京通ってる人と、神奈川から東京通ってる人がいるわけだから。でも、自営業では地元を離れるわけにはいかないですから。

―じゃあ、まわりの人たちはどうやって結婚しているんですか。

達也 うちのまわりで婚活して結婚した人はいないですね。ウチの会社はとにかく社内結婚が多いです。社員と社員も多いし、社員とパートもあるし。パートの人がバツイチで結婚したとかもあるし。

―どうしてですか?

達也 ほかに出会いがないからですね。まず、長時間労働だし、流通業なので土日休みじゃない。遊びに行くところもない。友だちとも遊べない。そうすると人間関係が会社内だけに限定されていくんです。精神的にも追い詰められるし(笑)。あと、仕事のルールもお互い理解していることも大きいですね。たとえば、うちだと休みが平日で、正月も休めませんとか。

土日が休みの人が相手だと、なんで土日出勤なの。なんで朝早いのってなるはずで、まずそこをお互いすり合わせるところから始めないといけない。でも同じ職業ならそれは知ってるわけで、何の説明もいらないわけです。

―なるほど。それって自営業も同じですよね。

達也 同じだと思います。ただ、自営業の場合、出会いの機会が少ないのでウチの会社よりも大変だと思います。だからこそ彼らも商店会で婚活しているんじゃないのでしょうか。

■どうして結婚したいのかわからない

―(ホッピーを注ぎながら)達也さんのまわりの方はどうして結婚するんですか。

達也 結婚が目的の人は少数派ですね。ある程度付き合ってきた結果としての結婚みたいな人が多い気がします。付き合ってて、なんとなく結婚するかってなる。なんとなく婚の人が多い気がします。よく、そういう人は、「結婚なんて勢いだよ」とかいうんですが、それを聞くたびにイラッとしますね(笑)

―20代結婚した人ってなんとなく婚が成立したんだけど、それ以降になると、結婚する目的が必要なんですよね。それがないと漂流しだす。

―達也さんはなんで結婚できないんですか。

達也 なんでですかね。もはやよくわかんないんだけど、「なんで結婚したいのか」が決まっていないと結婚はできないと思います。婚活したのも、会社の同僚に「知り合いがやってるから参加してくれ」って言われただけで、自分から動いたわけではないんですね。ほんとに結婚したいならいくら払っても相談所に登録するだろうし。相手がいて結婚したいっていうのと、まったく相手もいなくて結婚したいってのとは違いますよね。ゼロから1を生み出すのは大変です(笑)。

―どういう人だったら結婚したいんですか。

達也 そういう理想像がないんです。共働きがいい、みたいな非常にぼんやりしたものしかない。結局、私の場合、人から評価をされていないってコンプレックスがあると思います。やっぱり、女性から付き合ってもいい、結婚してもいいっていうのは勢いとかなんとなくとかいわれていますが、一つの評価なんですよ。相応のリスクがあるわけですから。それでもいいと言ってくれる人が一人いるかどうか。結局、結婚する理由ができるかどうかってそうした経験がないとできないと思います。

「非モテの場合、『評価される』ところから始めないといけない。30過ぎてそこから始めるのってやっぱり厳しいですよ」と語る達也さん。

結婚相手が見つからないという悩み以上に非モテの悩みは根深いものがあるように感じました。

(古田ラジオ)

※この記事は2015年04月24日に公開されたものです

古田ラジオ

フリーライター/婚活アナリスト。1980年生まれ。30代目前にして一念発起。2年間に及ぶ婚活の末に2012年結婚。その後、自身の婚活・結婚の体験をもとに各種メディアにて「男性から見た恋愛・結婚」について記事を書いています。婚活中のみなさんを応援すべく、婚活のホンネや、婚活に役立つ実践的、かつ少しでも前向きになれる情報を発信しています。

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