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ネコのゴロゴロに関する話

ネコの顎の下をなでてあげると、気持ち良さげにゴロゴロと喉を鳴らしますね。ネコがゴロゴロいっていると、人間もなんだか穏やかな気持ちになるものです。このゴロゴロについて専門家に聞いてみました。

アニコム損害保険株式会社 予防推進部 課長の井上 舞さんにお話を伺いました。井上さんは獣医さんでもあります。

●ライオンもゴロゴロいう?

――ネコはゴロゴロいいますが、ネコ科の動物は、みんなゴロゴロいうのでしょうか。例えば、ライオンやトラなどもゴロゴロいいますか?

井上先生 大型のネコ科の動物(ライオンやトラなど)は喉を鳴らすことはできません。ネコは、息を吐く時と吸う時、その両方で喉を鳴らしますが、トラなどは吐く時のみ喉を鳴らすことができます。ですからネコのゴロゴロとは違っています。

面白いのは「ほえる」ことです。大型のネコ科の動物たちはほえることができますが、ネコはできません。

――そういえば、ネコがほえるのは見たことがないですね。

井上先生 そうでしょう(笑)。ネコ科の動物は「喉を鳴らす」か「ほえる」か、どちらかしか選べないようです。

●ネコはどうやってゴロゴロ鳴らしている?

――ネコはどうやって喉をゴロゴロいわせているのでしょうか?

井上先生 猫のゴロゴロという音はさまざまな場面で見られます。まず最初にゴロゴロいい始めるのは、授乳期だといわれています。母親がゴロゴロいうのに応えて、子猫もゴロゴロいい始めるのが観察されています。

しかし、その機構は完全には解明されていません。また、「悪意のなさ」や「安心している状態」、「ほほ笑みのようなもの」とされていますが、この機能的な面も推測の域を出ていません。

――人間は「喜んでいるんだ」と思うことが多いようですが。

井上先生 そういう場面ばかりではないのです。慢性的な疾患に侵されているときや、激しい痛みを感じているようなときにも喉を鳴らすことがありますので。

これは接触や保護を求めるためのサインとも考えられています。猫のゴロゴロは、子猫と母猫のみではなく、成猫同士や猫と人間の間でもよく見られます。

●ゴロゴロ音は人間にもいい影響を与える?

――ネコのゴロゴロ音は人間をリラックスさせるという話があるようですが。

井上先生 科学的な根拠ははっきりしませんが、ネコ好きの人であればネコのゴロゴロを聞くと、とてもリラックスできると思います。そういう意味では、いい影響というのはあるのでしょう。

ネコと暮らすことで優しい気持ちになれたり、生活が規則正しくなったりします。その延長として、飼っているネコが喉を鳴らすゴロゴロ音は、飼い主にとってはとても気持ちのいい音と言えると思います。

――ありがとうございました。

⇒アニコム損保の公式サイト
http://www.anicom-sompo.co.jp/

(取材協力:井上 舞、文:高橋モータース@dcp)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.08.02)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年09月09日に公開されたものです

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