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【新連載】蒸し暑い地下鉄の駅。突然の出会いは思いもよらないもので……

Story3 ★シンデレラ

ここでウエイトレスさんが、注文を聞いてきた。
もし「おごる」と言い出された時のことを考え、
お茶だけにしようかと思ったけれど、
かわいらしいスイーツのセットがあったので、
つい注文してしまう。

「流美子さんは、いつもどんなところで、
お洋服のお買い物していますか」
ウエイトレスさんが去った後、
やはりこの話題が出た。
弁償は丁重にお断りしたい。

「服はいつも、社販で買っています。
あの……あのシャツは今シーズンで、
終わりにする予定の服だったのでお気遣いなく」

すると井上さんはニヤリと笑った。
「じゃあ、ぼくがとんでもなくダサい服を、
流美子さんの会社宛にプレゼントしちゃいますよ」

でも、井上さんはわたしの会社知りませんよね、
と言おうとして、そういえばメールの返信に、
会社の住所が載せてあったことに気づいた。
だからといって、まさか本当に送ってはこないだろう。
でも、なんだかこれ以上辞退するのも、
面倒になってきた。

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