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ピアス穴の消毒は逆効果! 正しい耳の洗い方「裏側、正面、耳の穴で分けるのがポイント」

篠原秀勝

普段あまり意識してないけれど、実は外気にさらされ、汚れがたまりやすい耳。“洗髪のついで”ではなく、意識的にケアする必要があるそう。正しい耳の洗い方について、スキンリファインクリニック院長の篠原秀勝先生に聞きました。

耳の洗い方

「裏側」「正面」「耳の穴」の3つのパーツに分けてケア

「耳を『耳の裏側』『耳の正面』『耳の穴』の3つのパーツに分け、それぞれに適したケアをするのがポイントです。まず、耳の裏側は入浴や洗髪のときに、泡立てた石けんを指につけて洗います。耳の正面は形が複雑で耳の穴に水が入らないか、心配という方も多いと思います。タオルや綿棒などで耳の穴のまわりや耳の上の凹凸を優しくぬぐうようにするといいでしょう。耳の穴には自浄作用がありますので、洗わなくてもOK。内側にたまった耳垢は自然と外に出てきます」(篠原先生)

耳の穴を掃除する目安は1カ月に1~2回程度。耳垢がカサカサ乾燥しているタイプであれば、日本古来の竹などでできたスプーン状の耳かき、耳垢が湿ったタイプであれば綿棒がいいそうです。

「耳の穴を傷つけたり、耳垢を耳の穴に押し込むことがないよう、そっと優しく掃除するのがポイントです。耳鼻科のなかには、耳掃除をしてくれるクリニックもありますので、自分ではなかなかうまくできないという人は足を運んでみるのも手です」(篠原先生)

ピアスをしている場合はどのようにケアすればいいのでしょうか。ドラッグストアなどで「ピアス穴専用フロス」などの洗浄グッズもみかけますが……?

「普段からピアスをつけている人であれば、ピアスを抜き挿しするだけで、ピアスホールに付着した老廃物も自然と押し出されます。先ほど説明した耳の裏側を洗う方法で耳たぶを優しく洗い、それでも、においが気になるようなら洗浄グッズを使ってみるのもいいですね」(篠原先生)

ピアスホールの消毒は逆効果!

ピアスホールにかゆみを感じたり、黄色っぽい液が出ている場合は要注意。そのままピアスの着脱を繰り返していると悪化してしまうこともあるそう。

「黄色っぽい液は、皮膚組織から出ている体液です。ピアスをつける際に、ピアスホール内の皮膚を傷つけてしまったときなどに起こります。清潔な状態に保つことで化膿を防ぎ、皮膚が自然に再生するのを待ちます。ただ、ピアスの着脱でさらに刺激を与えてしまう可能性もあるため、できれば、刺激の少ないチタン製あるいはシリコン製の医療用ファーストピアスに付け替えることをおすすめします」(篠原先生)

このとき、気をつけたいのが消毒液。「膿んでしまわないように」と、つい消毒液を使いたくなりますが、逆効果になってしまうとか。

「以前はピアスホールを開けたら、しばらくの間、患部周辺を消毒するように指導していた時期もありました。でも、最近ではピアスホールがしっかりできあがっていない、あるいは中の皮膚が傷ついている状態での消毒は効果がないばかりか、有害なことがわかっています。殺菌効果は一時的なものにすぎない上、ピアスホールがしっかりできあがるのをさまたげてしまうんです」(篠原先生)

また、金属などピアスの素材にアレルギーがある場合も、赤みやかゆみが生じます。こうしたアレルギー反応も放置すると、さらなるトラブルにつながるとか。

「十分な流水でよく洗い、よくすすぐことで皮膚の表面や傷口の周辺の細菌が減少することが研究でわかっています。トラブルの初期あるいは、ピアスホールを開けてすぐの時期は、何はともあれ耳を清潔に保ちましょう。それでも、赤み、浸出液などの症状が収まらない場合は、ピアスホールとピアスの大きさが合っていないなどの可能性が考えられます。普段使っているピアスを持参のうえ、早めに皮膚科や形成外科を受診しましょう」(篠原先生)

(取材協力:篠原秀勝、文:齋藤純子+ガールズ健康ラボ)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.05)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2014年05月30日に公開されたものです

篠原秀勝

スキンリファインクリニック院長。日本形成外科学会認定専門医。皮膚・皮膚外科の専門家として、かぶれ、ケガなどの保険診療からレーザー治療や美容手術まで幅広い診療を行う。雑誌等メディアでも活躍。http://skinrefine.jp/

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