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相手の気持ちが移ってくる「情動感染」とは?―より伝わりやすいのは負の感情

大人になってからも「感情のコントロール」は難しいものです。どんな場面でも100%コントロールできる!という方は、珍しいのではないでしょうか。実は感情とは、身近な人から伝染するものだということをご存じですか?上手にコントロールするためのコツとして「情動感染」について紹介します。

感情は移る!?

産婦人科内の赤ちゃんベッドが並ぶ部屋で、不思議な光景を目にした経験がある方はいませんか? 一人の赤ちゃんが泣きだすと、つられたように周囲の赤ちゃんも激しく泣き出す……。また反対に一人の赤ちゃんがニコニコしていれば、その周囲の赤ちゃんもニコニコに! これは最初の赤ちゃんの感情が、周囲の赤ちゃんにも伝染したために起こる現象です。

生まれたばかりの赤ちゃんにも、こんな力が備わっていることを、驚く方も多いのかもしれません。これは人間の脳の仕組みによって引き起こされているものだと考えられています。

ミラーニューロンとは?

感情の伝染を引き起こしているのは、脳内のミラーニューロンと呼ばれるものです。神経細胞の一つで、他人のまねをするよう自分の行動に働きかけているものだと考えられています。これは、他人の考えをより深く理解するため、また模倣により他者から技能を習得するために備わっている能力で、人間にとっては欠かせないものです。

しかし反面、「不安感の伝染」など悪い面で作用してしまうことも……。その特徴を知り、上手に活用するのがおすすめです。

その効果は……

情動感染が悪い面で作用している例を挙げます。社内にいつもピリピリしている上司がいるとします。こんな上司の下で働く部下たちにも、その気持ちは伝染してしまいます。同じようにピリピリして、社内全体のムードも悪くなってしまうことでしょう。

こんな雰囲気の中では、萎縮してしまって思うような結果が残せない人も多いはずです。反対に、社内に一人ポジティブな方がいれば、それもまた周囲に伝染していきます。会社中にその感情が伝染すれば、みんなで想像以上のパワーを発揮することも可能になるのです。

より伝わりやすいのは負の感情

情動感染を利用する場合、注意しなければならないのが「負の感情の方が伝染しやすい」ということです。不安感やネガティブな気持ちは、より感染力が高いのです。もし人をまとめるような立場に立つことがあれば、これを意識して行動するのがオススメです。

無理は禁物ですが、周囲への感染力を考えてよりポジティブな言動を心掛けましょう。

まとめ

感情が周囲の人へと感染していくと聞いて、驚いた方もいるのではないでしょうか。自分の都合でイライラしているだけでも、それが周囲にも大きな影響を与えてしまっているのかも……。少し考え方を変え、情動感染を上手に利用しましょう! より良い環境を作り上げることができるのではないでしょうか。

※この記事は2014年04月21日に公開されたものです

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