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JAXAに聞いた!日本は有人宇宙ロケットは打ち上げないの!?

日本は独自にロケット開発を行い、世界でも有数の宇宙開発技術を持つ国といわれています。ですが、不思議なことに有人宇宙ロケットを打ち上げたことはありません。それはなぜなのでしょうか。また、予定はないのでしょうか?

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宇宙船に人が乗って、宇宙を飛行すると「有人宇宙飛行」になります。有人宇宙飛行を行うには、人が乗った宇宙船を宇宙ロケットで打ち上げないといけません。有人宇宙ロケットの打ち上げ、そして有人宇宙飛行を実現したのは、現在のところ、ロシア連邦、アメリカ、中国の3カ国です。

日本は独自にロケットを打ち上げる技術を持っていますが、現在までに有人宇宙ロケットを打ち上げたことはありません。何となく悔しいような気持ちになりますね(笑)。日本の有人宇宙ロケットについてJAXA(宇宙航空研究開発機構)に伺いました。

――日本は独自に有人宇宙ロケットを打ち上げないのでしょうか。

JAXA広報部 「有人宇宙ロケット」と一言で言いましても、簡単に実現できることではありません。

人間を宇宙に送り、活動を行うためには、ロケットの打ち上げや飛行中に宇宙飛行士の生命を守るためのさまざまな環境維持システム、およびロケット自体の徹底的な高信頼性化が必要です。

――日本が現在打ち上げているロケットではできないのでしょうか?

JAXA広報部 現在の日本の主力ロケットであるH-IIAロケットを有人仕様にするためにはさらに高い信頼性が必要であり、いくつもの技術的な壁を乗り越えなければなりません。

――人間を乗せるからには失敗できないということでしょうか。

JAXA広報部 さらなる信頼性の向上は必須です。有人宇宙ロケットは、人間を宇宙に送るための技術、人間を乗せる宇宙船に関する技術、基礎的な研究を積み重ねて、その先に実現できることなのです。

宇宙で生活することにより人間の身体にどのような影響があるかといった生物学的・医学的問題の解決や、日本人宇宙飛行士の搭乗訓練など、さまざまな知識や技術の蓄積も必要です。

――日本が有人ロケットを打ち上げる計画はないのでしょうか?

JAXA広報部 現在の日本では、宇宙飛行士の打ち上げをロシアのソユーズに頼っていますが、今後宇宙での有人活動の必要性が増してくることが予想されます。そのため、再使用型輸送システムの基礎的、先行的な研究を進めています。

2025年からの運用を目標に、宇宙飛行士が乗る「有人宇宙船」や、その宇宙船を宇宙まで送り届けるための「有人打ち上げ用ロケット」の研究を開始しました。

また、JAXAを応援してくださる国民の皆さまから寄せられた寄付金を有効活用すべく、有人宇宙輸送システムに必要となるLAS(Launch Abort System = 非常脱出装置)の研究などを行っています。

⇒有人ロケット開発計画における「LAS」研究の紹介
http://www.jaxa.jp/about/donations/img/2012/02_use02.pdf

――ありがとうございました。

というわけで、将来の有人宇宙輸送の運用を目指して基礎研究を行っているところのようです。日本が独自に有人宇宙ロケットを打ち上げる時代がもうすぐやって来るかもしれません。胸が熱くなりますね!

(高橋モータース@dcp)

※この記事は2014年04月12日に公開されたものです

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