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“女性の貧困”に対する20代女性のホンネと、真の問題点とは?

いよいよ4月から消費税8%の時代が始まります! 少子高齢化社会の日本では仕方のないことなのかもしれませんが、収入の低い若い世代にとってこの増税は直接生活に関わる大問題。特に最近のニュースでも取り上げられているように、「20代の女性の貧困」が問題視されています。単身女性の3人に1人が、年収114万円を下回っているそうです。

では20代の働く女性は、女性の貧困をどう考えているのでしょうか。意外にもいろんな意見が寄せられました。

●女性の就業状況に問題が

・「ある程度小奇麗にしていないと仕事も採用されないなど、女性として必要最低限のことが多過ぎる」(26歳/商社・卸/事務系専門職)
・「女性が重宝される介護職や医療従事者の基本賃金が安すぎる。友人に医療従事者が多いからよく話を聞くが、リハビリは特に給料が低いから、同業者とは結婚したくないと言う。それが職場恋愛から遠ざけてるし、夜勤や休日出勤もあって忙しいから出会いもない、みたいなことになってるんだと思う」(26歳/運輸・倉庫/秘書・アシスタント職)

●出産子育てと仕事の両立

・「産休や育休が取れない(取りにくい空気)企業の方が多く、若い女性は『数年後には結婚出産するつもり』だと、フリーターや派遣を選ぶ人が増えるんだと思う」(23歳/アパレル・繊維/秘書・アシスタント職)
・「男性の収入が減っているので、女性は結婚・出産後も働かざるを得ない。しかし、現実は待機児童問題や職場の無理解などで、やめなければならない女性が多い」(27歳/情報・IT/技術職)
・「正社員が少ない。特に幼い子をかかえるシングルマザーは働ける時間も限られるので、そういう人への手助けが必要」(25歳/その他)
・「シングルマザーで、2人の子持ちの友達がいます。朝から夜まで働いて、実家の世話になることが多いそう」(27歳/医療・福祉/専門職)

●正社員へのハードル

・「正社員の雇用をもっと増やしてほしいです。男女関係なく雇用が増えれば、結婚なども考えることも多くなると思う」(26歳/建設・土木/事務系専門職)
・「パートなどでも正社員並みに働いているのに、雇用保険や厚生年金がない人がたくさんいる。それを福利厚生として補助してあげるだけでも、余裕ができると思う。社会に出てみるまで、税金や保険、年金など、どのくらい給料から引かれるのかも知らなかった。そのような支出のことを学生のうちに学んでおきたかった。どのくらいの手取り収入があるのかわかれば、就職する際にもっと慎重に職業や会社を選べたと思う」(26歳/建設・土木/技術職)

●やっぱり日本は学歴社会

・「高卒など、学歴が不利になってる場合が有ると思う」(28歳/自動車関連/技術職)
・「私自身、高校から就職するときに女という理由だけでほとんどの大手企業は相手にされませんでした」(21歳/金属・鉄鋼・化学/技術職)

●若者は不利な立場?

・「70歳を過ぎても経営陣の座について、大した仕事もしないのに給料だけ多くもらっている男性が多すぎる。しかも彼らは古い人間なので、女性に対してある程度の偏見や固定観念を抱いているように思えてなりません」(25歳/金融・証券/営業職)
・「就職先の数がどんどん減っている。企業が最初からなんでもできる新人を求めていて、自社で育てようとするのが減っている」(26歳/金融・証券/営業職)

結婚出産問題や学歴問題、また、上の世代が引退しないことなど様々な要因を指摘する声が挙がりました。内容は違えども、どれも当事者たちのリアルな意見。では、今後社会がどうなっていくことが理想だと考えるのでしょうか。

●今後社会に求めること、変わってほしいところ

・「保育所や保育園の増加、待機児童の問題を早く解決してほしい。女性がもっと働きやすい環境をつくってほしい」(27歳/医療・福祉/専門職)
・「貧困は連鎖すると思うので、子供のうちの格差を少なくするべき」(25歳/医療・福祉/専門職)

女性や、非正規雇用で働く人達に、よりよい就業環境を作ってほしいというのが多くの人の願いでした。しかし一方で、同年代の女性に対する辛口な意見も寄せられました。

・「貧困女子よりも、働かない女子を何とかしてほしい」(27歳/食品・飲料/専門職)
・「社会のせいにしないで、努力してスキルを磨かなければ、いつまでも貧困のままだと思う」(24歳/情報・IT/経営・コンサルタント系)
・「あまり向上心のある女性がいなくなっているので、貧困女子が多いのだと思います」(26歳/小売店/秘書・アシスタント職)

人それぞれに事情があるので、努力すれば何でも解決できるとは言えません。貧困は世代を越えてループすることもありますし、貧困から抜け出せない事情がひとつだけでなく複合しあって、解決がより困難な場合もあるでしょう。個人のがんばりも必要ですが、それと同時に、社会の中でセーフティーネットをどうしていくかといった解決も不可欠でしょう。

希望に沿った社会にしていくためには、やはり自分たちで行動していくしかないですよね。希望する社会が実現するためには、次にどうすればいいか考えていきませんか?

(北条マサ子/清談社)

※マイナビウーマン調べ。20代の働く女性、有効回答数124件。

※この記事は2014年02月05日に公開されたものです

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