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近くにいる人を好きになる心理―遠距離恋愛は心理的コストが高い

遠距離恋愛の経験はありますか? なかなか会えなくてもメールや電話で愛を育んでいる人もいますが、中には「遠くの恋人より近くの……」というパターンで遠距離を終わりにする人もいますよね。やはり遠距離恋愛を実らせるのは難しいのでしょうか?

遠距離は結婚に至る確率が低い!?

アメリカの心理学者・ボッサードはある実験をしました。婚約中の5,000組のカップルを調査。そこから結婚に至ったカップルのうち、12%は結婚前から同棲、33%は半径5ブロック以内に住んでいました。そして二人の距離が遠いほど別れる確率が高かったという調査結果となりました。

このことから、ボッサードは「結婚する確率は、二人が住んでいる地域が近いほど高く、遠くなるほど低くなる」という結論を導きました。

この結果に頷いた人も多いのではないでしょうか? でも、遠距離恋愛をスタートさせたときは、「私たちならきっと大丈夫」と思っていたカップルも多かったはず。続かなくなってしまったのは、どこに要因があるのでしょうか?

遠距離恋愛は心理的コストが高い

遠距離恋愛は、距離が遠いためになかなか会うことが出来ません。それでも、恋人同士ならやっぱり会いたい!と思うものですよね。

しかし会う時間を作るためには、予定を調整するだけでなく、移動にお金もかかるし、遠出することになるので肉体的にも疲労が溜まります。これらが高い「心理的コスト」となってのしかかってくるわけです。「心理的コスト」とは、心にかかる負担の要因となることを指します。

遠距離恋愛において、時間もお金も身体も使って会うということは、物理的というよりも「心理的負担」となってしまうのです。

そしてそれを解消できるのは、恋人との楽しい時間以外にありません。二人の充実したひとときがあれば、心理的コストを一気に軽くすることができるのです。逆に、それだけの手間ヒマをかけて会ったのにケンカなどをしてしまったら、近くにいるとき以上に気持ちへのダメージが大きくなります。

そうすると、気持ちの疲弊とともに一気に愛情が冷めて、別れを選択するというケースも……。

近くにいるときにはあまり感じずにすむ、距離が生む「心理的コスト」。これが遠距離恋愛の成就を阻む要因の一つとなっているのです。

遠くの恋人より近くの他人!?

また、アメリカの心理学者・ザイアンスによると、人は顔を合わせる回数が多いほど好意を抱きやすいと言われています(単純接触の原理)。遠距離恋愛の心理的コストで心が疲れてしまったときに、しょっちゅう顔を合わせる異性がいれば、好意を抱くのは仕方のないことなのかもしれません。

しかし、そうはいっても簡単に二人の関係を終わらせたくないものですよね。そのためには、やはり電話やメールなどでこまめに連絡を取り合うことで、お互いの接触を増やす、さらに心理的コストを少しでも軽減させるために、金銭的・時間的負担を軽くする工夫をする。

そして会ったときには何か「ご褒美」的なお楽しみを作る……これらを実行することによって、心にかかる負担をできるだけ軽くすることができます。

まとめ

遠距離恋愛を長続きさせるには、やはりそれなりの工夫や努力が必要です。二人の関係を長続きさせたいなら、まずはお互いの心理的ストレスを減らすことから始めてみてはどうでしょうか?

※この記事は2013年12月07日に公開されたものです

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