お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【新連載】Facebookにあがる幸せそうな彼女の姿がうらやましくて……

Story4 ★うらやましがりなわたしたち

「ダンナはいい人なんだけど、
最近忙しくて、子どもが寝た頃にしか、
帰ってこられないの。
だからあまり、相談もできないし。
ううん、楽しいことも確かにあるけれど、
子どもが寝た後、夜ひとりでポツンといると
『わたしこんな生活でいいのかな?』
って、ちょっと考えちゃう」

「そっか。美希もがんばってるんだね」
「うん。外食も子どもが小さいから、
ファミレスやファーストフードばっかり。
こんなきれいなカフェで外食なんて、
独身の頃以来かな」

確かにこのカフェの、
大きなガラス張りの窓から見える、
海や港の美しさはすてきだった。
首を巡らせると、遠くゆりかもめが、
レールの上を滑っていくのが見える。

わたしには当たり前の生活や風景も、
美希にとっては贅沢なのだ。
そして美希にとって当たり前な日々も、
わたしには、なかなか叶わない夢。
わたしたちはしばらく黙って海を眺めた。

次のページを読む

SHARE