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男性のズボンのチャックがあいていたらどうする?「気づかないフリがベスト」

男性のズボンのチャックが開いていることに気づいたとき、あなたならどう対処しますか? 「角を立てずに」うまく伝えることはできるでしょうか?

「どのような場面でも、その『相手』との関係性に応じて適切な対応は異なる」と指摘するのは、マナーコンサルタントおよび美道家の西出ひろ子先生。

西出先生は、「マナーとは相手の立場にたち、相手を不快にさせない、相手にプラスをもたらすもの」と定義づけているマナーの達人。今回は、その西出先生に、マナーの観点からこれらの対処法についてうかがいました。

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仕事場でのケース

<設問1>男性のズボンのチャックが開いていた場合、どうすれば良いでしょうか?

1.気づかないフリをして、いつも通りに接する
2.それとなく「お手洗い行かれたんですか?」など、遠回しに気づかせる
3.近くにいる男性に教えて、代わりに伝えてもらう
4.「チャックが開いていますよ」と正直に伝える

<答え>正解は「1」。

この場合、ズボンのチャックが開いていることをご本人に知らせて差し上げることが、本来のマナー。しかし、相手との関係性によっては、それを指摘されることで相手が恥ずかしい思いをしたり、また自分もその後気まずくなってしまうのでは本末転倒ですよね。

したがって、相手が家族や恋人などの親しい関係であれば、4のように、正直に伝えるのが良いでしょう。しかし、今回は職場におけるケース、会社の上司や取引先の方であれば、1の気づかないフリをするのが正解となります。

これは、後にその相手が気づいても、相手はあなたが気づいていなかったと思うことができるため有効ですし、何より相手が上司などの場合、普通は言えないですよね。


<設問2>上司の歯に青のりがついていた場合、どうすれば良いでしょうか?

1.気づかないフリをして、いつも通りに接する
2.周りに気づかれないよう、そっと伝える
3.「お昼ご飯、お好み焼きでも食べましたか?」と冗談混じりに指摘する
4.「歯に青のりがついてますよ」とハッキリ直接伝える

<答え>正解は2。

相手が上司である場合、言いたくても言えないことがほとんどです。しかし、例えば、それが接待中であったり、商談前であれば、結果的に恥をかくのは上司ですから、ここは伝えてあげるのが○ですね。

伝え方としては、「○○さん、ちょっと失礼してもよろしいですか」と言い、小さな手鏡を渡して「歯に何かついているようなんですけど……」と伝えて差し上げましょう。


<設問3>上司の鼻毛が出ていることに気づいた場合、どうすれば良いでしょうか?

1.気付かないフリをして、いつも通りに接する
2.周りに気付かれないように、そっと伝える
3.それとなく、ジェスチャーをして気付かせる
4.「鼻毛が出ています」と直接伝える

<答え>正解は1。しかし、場合によっては2も正解に。

このケースは、上司の身体に直接関わることなので、さらに慎重を期す必要があります。この場合もシチュエーションによって、対応が異なります。

1の知らないフリをするのが、その後の上司との関係においては、もっとも無難です。しかし、その鼻毛がかなり長く出ていて、明らかに誰もが気づく場合や、取引先との面談が控えている場合などは、やはり伝えて差し上げることが、上司のためとなります。

そこで、伝え方としては2が適切。その手段としては、「大変失礼かとは存じますが、お鏡で鼻毛の確認を行って頂ければ幸いです」というメモ用紙を上司に持参し、その場で読んでもらい、上司から何らかの返事をもらいます。

そのメモ用紙は上司に渡さず、あなたが持ち帰りましょう。うっかりメモ用紙を落としたりすることのないよう、すみやかに処分することもお忘れなく。


■彼氏や夫のケース

<設問4>オシャレのつもりで髪型をセットしたようだけど、どう見ても寝ぐせのようにしか見えない場合、どうすれば良いでしょうか?

1.本人はカッコいいと思っているので、その日は何も言わず我慢する
2.「髪型セットしたの?」と遠回しに、やり直してもらえるように促す
3.「寝ぐせみたいだよ~」と冗談混じりに伝えてみる
4.髪型がおかしいことを正直に伝える


<答え>正解は4。この場合、正直に伝えて差し上げるのが、正解。

ただし、伝え方としては、「髪型、キマってるね!」とまずは褒めて差し上げましょう。その後、「あ、ちょっと待って」と言い、「ここ触ってもいい?」と相手の承諾を得た上で、そっとあなたが手直ししてあげると良いですね。手直しが終わったら「オッケー!」などと明るく振る舞い、何も問題はなかったという雰囲気を作ることができれば、パーフェクトです。

 

「どうするか?」ということよりも、「どのような言い方で伝えるか?」がポイント、と語る西出先生。それは、相手への思いやりの心から生まれるものですね。西出先生のアドバイスを参考に、「心のマナー」を身につけた女性を目指してはいかがでしょうか。


西出ひろ子(にしで ひろこ)
マナーコンサルタント*美道家
HIROKO ROSE株式会社 代表取締役 http://www.hirokorose.co.jp
一般社団法人マナー教育推進協会 代表理事 http://www.manners-ring.or.jp

マナーは、互いのハッピーを創造するために必要なものと提唱するマナー界のカリスマ。マナーを実践するには、相手の立場にたち、まずは相手にプラスをもたらすことを第一とする。その結果、自分自身もプラスになるマナーを提案する。それは、美しく生きる生き方論として、国内はもとより上海などの海外においても連載や出版、講演などを行なう。NHK大河ドラマ「龍馬伝」・NHKスペシャルドラマ「白洲次郎」・NHKドラマ10『ガラスの家』や今秋公開の復興支援映画「天心」などドラマや映画のマナー指導も行う。また「ヒルナンデス」(日本テレビ系列)では「愛され女子マナー講座」や「大人のマナー講座」を担当。著書にはビジネスマナーやテーブルマナー、冠婚葬祭、日常生活のマナーなど幅広い分野におけるマナー本が国内外含め50冊以上ある。

(OFFICE-SANGA Ai Kageyama)

※この記事は2013年11月19日に公開されたものです

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