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心理学者が教える、相手に信頼される話し方「力を合わせて成功させましょう」「どうぞ、お使いください」

『心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方』(アスコム刊)

『心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方』(アスコム刊)

人を説得する能力に長けた人を見るたびに、うらやましく感じてしまうことってありますよね。自分の思ったとおりに仕事を進めたいなら、同僚やクライアントを納得させることは不可欠。どうすれば、相手に自分の意見を受け入れてもらうことができるのでしょうか。

■がんばる人と同じステージに立つ

『心理学者が教える 思うように人の心を動かす話し方』(アスコム刊)著者で、心理学博士として著述や講演活動で活躍中の榎本博明先生によると、いくつかの効果的なフレーズがあるのだそう。

そのひとつが、「力を合わせて成功させましょう」。

人は誰しも、一体感を醸し出す言葉に弱いもの。発話者と相手が同じステージに立っていると感じさせるフレーズを用いることによって、心理的な一体感が生まれやすいのだとか。

同じ理由から、「私」ではなく「私たち」、「~してください」ではなく「~しましょう」といった言葉を選ぶようにすると、相手に仕事のパートナーとして信頼してもらえる可能性が高まるそう。

■「借り」は返さないと気持ちのおさまりが悪いもの

榎本先生によると、「どうぞ、お使いください」というのもキラーフレーズなんだとか。

「人から贈り物をいただいたり、何かしてもらうことはうれしいものですが、よほど神経が図太い人でない限り、もらってばかりでお返しをしない状態にあっては、気持ちが落ち着かなくなってきますから」(榎本先生)

■話題選びも重要な要素

相手を納得させるには、「話し方やシチュエーション作りにも、いくつかポイントがある」と榎本先生。

たとえば、プライベートな話題で相手の好意を引き出すことが、交渉成功につながることもあるそう。

「セールスや商談の場で、いきなり『この商品をご購入いただけませんか?』と切り出す人はいませんよね。時候のあいさつを交わしたり、『実はこの街に来るのは10年ぶりなんですよ』などといった、なにげない会話からスタートすることで、相手も徐々に心を開いていってくれるものです」(榎本先生)

≪ほかにこんな方法も有効≫

・「たまたま聞いた話」として、第三者が相手をほめていた話題を出す。

・「予約殺到」「発売と同時に売り切れました。再入荷まで一週間お待ちください」などの文言で、「ないものねだり」の心理をつく。

・「はっきり申しますと、当社の●●はおすすめできません。私自身、他社の●●を使っています。しかし、当社の△△は本当におすすめです」など、わざと自分の不利益になることを述べて相手からの信用を得る。

人の心を上手に動かすテクニックを身につければ、高い業績をあげられるようになるだけでなく、同時に周囲からの信頼も高まりそうですね。ふだんの会話に取り入れてみてはいかがでしょうか。

榎本博明榎本博明

心理学博士。東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士過程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、現在、MP人間科学研究所代表。著書に、『「上から目線」の構造』『お子様上司の時代』(以上、日経プレミアシリーズ)『「上から目線」の扱い方』(アスコム)など多数。

(OFFICE-SANGA)

※この記事は2013年11月12日に公開されたものです

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