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旨い野菜を食べるコツ「トマトの旬は真夏ではない」「ブロッコリーの旬は冬」

スーパーで松茸や栗を見かけるようになると、秋の訪れを感じますよね。野菜や果物にはそれぞれ旬の時期がありますが、最近では輸送や冷蔵・冷凍技術の発達によって、一年を通して簡単に手に入る食材も多くなってきました。そのため、食材の旬を意識しない人も増えているようです。

しかし、旬の食材というのは、実は非常にメリットが多いもの。そこで、意外と知らない野菜の旬について、ご紹介したいと思います。フーズリンクの戸川昂志さんにお話をうかがいました。

旬のとらえ方もいろいろ

「最近では品種改良やハウス栽培の技術が進み、『食材の旬』に対する考え方も多様化していると思います。

例えばイチゴの本来の旬と言えば、4月から5月にかけてです。しかし、出荷量で言えばクリスマスの時期を含む、12月から1月が非常に多く、そういった意味では『イチゴの旬は冬』と言えないこともありません。何を基準に旬と呼ぶかは、とらえ方によって違ってきますね」(戸川さん)

旬の食材と言えば、「栄養価が高く、味が良く、たくさん出回っていて、価格が安い」というイメージがありますが、そのすべてが一致しないケースもあるということですね。

ホウレンソウの旬はいつなの?

「ただ、栄養や味の面から考えるなら、やはり野菜ごとに『本来の旬』と言える時期があります。例えば、ホウレンソウは11月から1月という寒い時期が旬だと言えるでしょう。寒い時期のホウレンソウは葉に厚みがあり、甘く、栄養がたくさん蓄えられています。

食べごたえや栄養面を考慮するなら、ホウレンソウはやはり冬が一番ですね。ただ、サラダホウレンソウのようにアクが少ないホウレンソウは、春から初夏にかけて収穫されます。アクが少なく葉が柔らかいため、食べやすいのが特徴です」(戸川さん)

ホウレンソウは収穫時期によって、含まれる栄養の量が大きく違う野菜だそうです。ビタミンCの量を比べてみると、夏に収穫したホウレンソウは、冬に収穫したものの1/3程度しか含んでいなかったという調査結果もあるほど。健康に良い食事を意識するなら、やはり食材の旬は重要なポイントとなりそうです。

トマトの旬は真夏……ではない!?

「真夏の野菜と考えられがちなトマトですが、実はあまり暑さに強い野菜ではありません。トマトがおいしくなるためには日光が必要です。しかし、あまり高温になると水っぽいトマトになってしまいます。

そのため、日射しは強いけれど、気温はそれほど上がらないという時期に育った、4月、5月ごろと、秋口のトマトがおいしいですね。味の面から考えると、こういった時期がトマトの旬だと言えるでしょう」(戸川さん)

味が濃厚で真っ赤なトマトと言えば、真夏! というイメージでしたが、そうでもないんですね。ハウス栽培に関してはまた条件が変わると思いますが、露地栽培のトマトを購入する際には、時期を気にしてみると良さそうです。

ブロッコリーの意外な事実

「ブロッコリーは、日本の一般的な地域では夏に種をまき、晩秋から春先にかけて収穫されています。そのため、11月から1月ごろが旬だと言えますね。

収穫時期をずらして栽培することも可能なので、通年流通していますが、春に種をまいて夏に収穫する場合には、害虫対策のために多量の農薬を使用するケースも多いようです。無農薬・低農薬で味の良いブロッコリーを食べようと思えば、やはり本来の旬である晩秋から春先にかけての時期が一番です」(戸川さん)

緑色が鮮やかでサラダに使用することも多いため、なんとなく夏の野菜といったイメージのあるブロッコリー。実は寒い時期に旬を迎える野菜なのですね。

まとめ

食べたいときに、食べたい食材が手に入るというのはとても便利なこと。しかし、本来の旬を意識して野菜を選ぶというのも、なかなか素敵ではないでしょうか。

味や健康の面はもちろん、暖房設備などを使用しない露地栽培野菜は、低価格で、しかも省エネルギーにもつながります。野菜を購入するときには、「今晩何にしようかな?」だけではなく、「今は何が旬かな?」ということについても、ぜひ考えてみてください。

(OFFICE-SANGA 森川ほしの)

※この記事は2013年10月09日に公開されたものです

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