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2020年東京オリンピック開催を予見!? 今こそ読みたい日本のSFマンガ・4選

先日、2020年に東京オリンピックが開催されることが決定し、大きな話題となりましたが、かの有名なSFマンガの傑作『AKIRA』(大友克洋)の世界でも「2020年に東京オリンピックを行った」という設定があり、現実の開催時期とぴったり重なっているためにネットなどで話題になったのは記憶に新しいところです。

また、最近報道された「ロボットに人間の脳を移植する」というロシアの計画も、『仮面ライダー』や『サイボーグ009』『人造人間キカイダー』など、機械の身体を持つヒーローをたくさん生み出した石ノ森承太郎のマンガのよう。そこで今回は、今こそ読みたいオススメSF漫画を紹介します!

宝石と月人との美しき闘い『宝石の国』

ここ数年、マンガファンの間で最も注目を集めているマンガ家のひとり、市川春子は、人間の肉体が別の何かになったり、人ではない何かが人間の姿をしていたりといった物語を好んで描く作家です。現在は月刊アフタヌーンで自身初となる長編作品『宝石の国』を連載中。

主人公たちは、長年にわたり、海中の微生物によって作り出された、宝石の身体を持つ生命体。彼らを装飾品にするために襲ってくる“月人”(仏様のようなありがたい姿をしている)との闘いを軸に、それぞれに役割を与えられた28人の宝石たちによるドラマが描かれます。デザイン的な画面で美しく描かれる不思議な世界に、恍惚となること間違いなし、筆者イチオシの作品です!

身の毛もよだつ話題のSF作品といえば……『テラフォーマーズ』

最近の話題作といえばこれを紹介しないわけにはいきません。週間ヤングジャンプに連載中の『テラフォーマーズ』(作:貴家悠、画:橘賢一)。時は2599年、火星を人類が住める惑星にするために行ったテラフォーミングで地表に“アレ”を撒いた結果、“アレ”が進化……恐ろしい生物がはびこるようになってしまいました。その“アレ”とはそう、ゴキブリ!

先述した『宝石の国』の宝石の身体に比べ、激しく不潔そうな人間型のゴキブリが暴れまくる身の毛もよだつSF作品です。しかし、2013年版『このマンガがすごい!』オトコ編で1位を獲った同作の面白さは一級品。サブイボを出しながら読む手が止まらない注目作です。

テレポート少女の不思議なセンスが秀逸!『エンチャントランド』

和製SFの名作といえば、『時をかける少女』などを思い浮かべる方もいるでしょう。マンガでも美少女が主人公の超能力ものは『超少女明日香』(和田慎二)など数多くありますが、最近オススメなのがマンガサイト“画楽ノ杜”で連載中の『エンチャントランド』(富沢ひとし)。

ストーリーは、瞬間移動の能力を持つ少女、青葉琴理が、学園で起こるさまざまな怪事件に挑むというもの。瞬間移動のダイナミックな表現が秀逸で、不思議なセンスと特異なビジュアルに引き込まれます。どことなくとぼけた感じも特徴的で、ハマる人はずっぽりハマってしまうはず。

アシモフの名作は日本の未来を予見!?『銀河帝国興亡史1 ファウンデーション』

9月に刊行されたばかりの描き下ろしSFコミック『銀河帝国興亡史1 ファウンデーション』は、『われはロボット』などでも有名なSF作家、アイザック・アシモフ原作のコミカライズ作品。武力を用いずにさまざまな手段で周辺国を圧倒するファウンデーションを、戦後急速に経済大国になった日本と重ね合わせて原作を読んだSFファンも多いとか。

コミック版では、心理歴史学者ハリ・セルダンが予測した「セルダン危機」に挑むファウンデーション市長サルヴァー・ハーディンの活躍を読むことができます。少子化やエネルギー問題など、さまざまな危機が予想される現代に読んでおくべき作品かもしれません。
思えば、マンガの神様・手塚治虫が戦後まもなく描いた高層ビル街やモノレール、ロボットはどんどん現実のものになってきました。もしかしたら、現代のSFマンガにも、もっと先の未来を予見しているものがあるかもしれませんね。

(牧田洋子)

※この記事は2013年10月01日に公開されたものです

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