お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

刺された回数で変わる!? 蚊に刺されたときの正しい対処法「ステージ4:刺されてすぐに薬を塗る」

夏場の悩みのタネといえば、蚊! 刺されたが最後、痒くなって本当、イライラしますよね。では、もし蚊に刺されたとき、なるべく早く痒みを治すには、どうすればいいのでしょうか。兵庫医科大学皮膚科の夏秋優先生に聞いてみました!

●蚊に刺された数だけ、ステージが変わる!

「蚊に刺されて、痒くなるというのは、実はとても複雑なメカニズムなんですよ。蚊に刺されたとき、蚊の唾液腺物質が人間の体に注入されますよね。その蚊の唾液腺物質を、人間の体が『異物』と認識し、アレルギーの反応を起こします。それが痒みを引き起こすんです。で、このアレルギーっていうのが、またややこしい。その人が、刺された回数によって、ステージが変わるんです」

な、なんですかステージって!? と思った方、まずは自分がどの位置にいるのかチェック!

第1ステージ:蚊に刺されたことが一度もない

生まれてはじめて蚊に刺されたとき、蚊の唾液腺物質が皮膚に注入されても、人体はその物質を知らないので何の反応もない。痒みも出ない。

第2ステージ:刺された翌日に痒くなる

何度か刺されるうちに、蚊の唾液腺物質が入ったということを体が認識するようになる。すると『次に刺されたときは対応しなきゃいけない』となり、刺されてから1~2日目に痒くなる遅延型アレルギー反応が起こるようになる。

第3ステージ:刺されてすぐに痒くなり、一度おさまるが翌日再び痒くなる

さらに刺され続けると、1~2日目に反応するのでは遅いと体が判断し、今度は、即時型アレルギー反応というのが起こるようになる。刺されてすぐ痒くなるが、1時間くらいすると一度痒みがおさまる。ところが翌日また痒くなるという2つの反応が出る。

第4ステージ:刺されてもすぐに痒くなるだけ

刺されてすぐに痒くなるけれど、その翌日は痒くならない。即時型アレルギー反応だけになる。

第5ステージ:刺されても何の反応もない

最終的に蚊の唾液腺物質に体が慣れ、即時型アレルギーの反応も消えていく。シニア世代になると、刺されても何の反応も出なくなる。

「……というように、順番に5つのステージにわかれるんです。マイナビウーマン世代だと、ステージ3か4に該当する人がほとんどだと思います」

よく刺されている人ほど、このステージは早く進行するので、年齢で決まるわけではないんだそう。ちなみに筆者は恐らくステージ4。早く最終段階に行きた~い!

●翌日痒くなる人は、ステロイド入りの塗り薬が◎!

さて、自分のステージがわかったところで、続いて対処法についておうかがいしました。

「蚊に刺されたらすぐ痒くなるだけという、ステージでいったら4に該当する人は、刺されたらすぐに市販の塗り薬を塗るとか、保冷剤で冷やすとかすれば翌日には消えています。ちょっと我慢すれば大丈夫ですね」

ふむふむ。私はすぐに薬を塗れば大丈夫なんですね。では、ステージ3の人はどうでしょうか?

「ステージ3に該当する人は、刺されて痒みが一回おさまりますよね。痒みがおさまったからいいや、と安心してはいけません。そのときに、塗り薬を使うんです。この時点で薬を塗れば、翌日に再びくる痒みや赤みが、かなり軽くなります」

また、使う塗り薬にもポイントがあるんだそう。

「ステージ3の人は、ステロイドが入った塗り薬がいいです。たとえば『ムヒSにはステロイドは入っていないけれどムヒアルファには入っている』というように、市販されている薬のなかでも、ステロイドが入っているものと入っていないものがあります。ステージ4の人であれば、通常の痒み止めで大丈夫ですが、翌日また痒くなるのを止めるには、ステロイド入りがいいですね」

虫さされの薬にそんなちがいがあるなんて、意識したことなかったです! そういえば、痒みを抑えるためには、温めるのも冷やすのもどちらも効果があると聞いたことがあるのですが、これはどっちが正しいんですか?

「確かに、熱いお湯をかけると、痒みはやわらぎます。でも、お風呂のような適度な温かさだと、血行が良くなって余計に痒くなってしまう。なので、冷やしたほうがいいですね」

まとめ

蚊に刺されても、基本放置していましたが、きちんとした処置をすれば痒みも早くおさまるのです! みなさんも、次に刺されたときは、ご紹介した方法をぜひ試してみてくださいね。

夏秋優先生
兵庫医科大学皮膚科学・准教授。衛生害虫による皮膚疾患、皮膚疾患の漢方治療
を専門とする。著書に『Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎』がある。

(取材協力:夏秋優、文:中村未来/清談社)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.06.14)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

※この記事は2013年08月26日に公開されたものです

SHARE