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【新連載】苦しかった彼との恋は、今ではまるで夢のよう……

Story3 ★不安が恋人

特に大輔からの返信が遅れると、
自分でもヤバいと感じるくらい、
ひどくイライラしたり悲しくなったりした。

「大輔はわたしのことなんて、
もうどうでもよくなったのかも」
「他に好きな人ができたのかも」
着信のない携帯を眺めては、
よくない想像ばかりが頭をめぐる。

「忙しかったんだよ」
「こっちは電波が届かない場所も多いの」
大輔の言うことが正しいのは、わかっていた。
仕事で山影の現場に入ったりすると、
メールは届かない。
客先での営業中だって、
彼女にメールの返信なんてできない。
当たり前だってわかっていても、
大輔が自分を忘れてしまったらどうしよう。
わたしたちの関係が、
過去のものになってしまったらどうしよう。
日々、そんなことばかり考えて過ごしていた。

「愛情も不満も隠さずに相手に伝えること」
と約束はしたけれど、大輔はこんな彼女に、
よく付き合ってくれていたと思う。

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