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【新連載】苦しかった彼との恋は、今ではまるで夢のよう……

Story4 ★4年間の長い夢のあとで

「何で……誰と……」
寒い部屋で、冷たい携帯に耳を当て愕然とする。
大輔はいつの間に誰と結婚を決めたのだ。

「相手はお得意先のお嬢さんなんだ」
「ずっと、わたしと二股かけてたんだ」
「いや、ずっとじゃない。
彼女とは、ここ3カ月ぐらいかな。
正直、ものすごく好きなわけでもなくて」

わたしは猛烈に腹が立った。
「じゃあ、なんで結婚なんてするのよ!
今までのわたしたちの時間は、どうなるの!」

電話の向こうで大きなため息が聞こえた。
「彼女と結婚を決めた理由は、
実は自分でもよくわからない。
でももう、いつか東京に帰りたいなんて、
腰の定まらない仕事の仕方や、
生き方はしたくないんだ。
目の前の仕事や生活をちゃんと見つめて、
そうして生きていこうと思ったら、
自然に彼女と結婚したくなった。
千帆ちゃん、ごめん。本当にごめんね」

わたしは返事もせずに、回線を切った。

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