シェルター-10

Update : 2008.04.01

ディスプレイは閉店後すぐ開始で、深夜に一気に仕上げる。
その後デパートの担当者からダメ出しがあれば、微調整。

アクシデントがあれば、開店ギリギリまで直しが入る。

今回は3つある透明で大きなアクリルの箱から、
夏服や水着、アウトドア用品や寝具などさまざまな商品が、
笑顔のマネキンに向かって飛び出していくデザインだ。

わたしは、ワゴン車で運んできたアクリル板の接着をはじめる。

ディスプレイの前面を、会社帰りの人がめずらしそうに眺める。
作業そのものも、立派な広告活動の一環なのだ。

そして後ろ側では作業域の向こうに、店の人間が物見高く見守る。
時間も遅いので、大抵はフロアマネージャークラスの男性だが、
1人だけ20代前半と思われる、制服姿の女性がまじっていた。

さらさらのストレートボブがよく似合う、目力の強いコだ。

やがてミチが来ると、ぱっと顔を輝かせて彼の元へ駆け寄った。
そうか、あのコなんだ。かわいいじゃない。

だがふたりがわたしに向ける視線には、ほんのり哀れみがあった。
一瞬ムカついたが、その後はもはや、ひたすら面倒くさかった。

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